SSブログ

「おいしいおかずにいい女」を求めた 「サムライアーティスト」

閉じる

【産経抄】7月18日

 北海道七飯町(ななえちょう)の公園に展示されている彫刻「もどり雲」は、流政之(ながれ・まさゆき)さんが、戦没者への慰霊の思いを込めて制作したものだ。平成18年の除幕式には、裏千家前家元の千玄室さんも出席して茶会を開いた。2人は海軍航空隊の同期である。流さんは零戦に、千さんは偵察機に搭乗し、共に特別攻撃隊要員だった

 ▼戦後、無頼な生活を送るなか、常に流さんの心にあったのは、日米戦没パイロットの弔いである。木を刻み、金属を曲げてつくった追悼の作品で個展を開いたのは、昭和30年、32歳の時だった。

 ▼国内の美術界の反応は冷たかったが、英字紙は「ゼロ・ファイターの芸術」と大きく取り上げた。その後石彫りの技法を得て、流さんの言葉を借りれば、いよいよ米国に「殴り込み」をかける。

 ▼ニューヨークでの初めての展覧会は大盛況だった。「アメリカ人の女に抱きつかれ、口づけされた時に『あー戦争は終わったんだな』と思った」。後に振り返っている。米誌「タイム」には、日本を代表する5人の芸術家の1人として紹介された。あとの4人は、川端康成、丹下健三、三島由紀夫、黒澤明である

 ▼立命館大学の創設者である父親の方針で、少年時代は古流武道を習っていた。作品に虚無が漂うとの評に対しては、戦争であまりに多くの死を見たからではないか、と自己分析する。「サムライアーティスト」として世界に知られた流さんの訃報が届いた。95歳だった。

 ▼自らを「フーテンの寅」になぞらえていた。「おいしいおかずにいい女」を求めて、日本全国を旅してきた。同僚記者が、高松市内の瀬戸内海に面したアトリエを訪ねたことがある。取材が終わると、とびきり美人の女将(おかみ)がいる料理屋でごちそうになったそうだ。


タグ:産経抄
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

【経済インサイド】2500億円も投じる東京ディズニーシー拡張の「隠れた狙い」とは… [1)経営・ビジネス]

閉じる

【経済インサイド】2500億円も投じる東京ディズニーシー拡張の「隠れた狙い」とは…

「アナと雪の女王」をテーマとした東京ディズニーシー拡張部分の完成イメージ(オリエンタルランド提供)

 

 東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランド(OLC)は6月、2500億円を投じる「大規模拡張プロジェクト」を発表した。世界的に見ても人気が高いTDRでは、その人気ゆえに起きる混雑が、顧客満足度の低下を引き起こし、最大の経営課題となっている。今回のプロジェクトは、拡張によって、物理的な混雑緩和を進めるのが大きな狙いだが、さらに「隠れた狙い」があることも浮かび上がってきた。

 プロジェクト発表から1週間後の6月22日朝、羽田空港内の格納庫にOLCの上西京一郎社長の姿があった。提携関係にある日本航空と協力したTDR開園35周年記念の特別塗装機「JALセレブレーションエクスプレス」のお披露目イベントに登場するためだ。上西氏は「特別機に乗って、全国からTDRに来ていただきたい」とアピールした。

>>続きを読む

 

 


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

【矢板明夫の中国点描】「習近平降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似…

閉じる

【矢板明夫の中国点描】「習近平降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似…

7月10日、ドイツへの経由地ヘルシンキで、喜びを全身であらわす故劉暁波氏の妻、劉霞さん。中国からの出国が認められた背景には、習近平国家主席の影響力低下があるとの見方もある(AP)

 

 「40年前の華国鋒(か・こくほう)失脚前の雰囲気と似てきた」。国際電話の向こうから共産党古参幹部の興奮気味の声が聞こえた。「党内で習近平降ろしの動きが始まった。8月の北戴河(ほくたいが)会議が楽しみだ」

 この古参幹部は共産党の下部組織、共産主義青年団の出身で、胡錦濤(こ・きんとう)前国家主席の周辺に近いとされる。10年以上前に定年退職したが、最近まで、現役時代の担当部署の帳簿を繰り返し調べられるなど、習派からさまざまな嫌がらせを受けているという。

 中国で“習近平独裁体制”に7月から異変が起きている。共産党機関紙の人民日報などの官製メディアの1面から習近平国家主席の名前が消える日が増えた。北京や上海などの街中の歩道橋などに掲げられた「中国の夢」「偉大なる復興」といった習語録の横断幕も外され始めた。

>>続きを読む

 


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

台湾に最新型攻撃ヘリ「アパッチ部隊」誕生 中国軍の上陸作戦に備え [2)世界・軍事]

閉じる

台湾に最新型攻撃ヘリ「アパッチ部隊」誕生 中国軍の上陸作戦に備え

台湾の陸軍で米国から購入した最新型攻撃ヘリAH64E「アパッチ・ガーディアン」の部隊編成が完了し17日、北西部・桃園市で式典が行われた(AP)

 

 【台北=田中靖人】台湾の陸軍で米国から購入した最新型攻撃ヘリAH64E「アパッチ・ガーディアン」の部隊編成が完了し17日、北西部・桃園市で式典が行われた。

 AH64Eは、米ブッシュ(子)政権が2008年に30機の売却を決定。13年11月から台湾への引き渡しが始まり、14年10月に完了した。

 この日は、墜落事故で失った1機を除く29機が、訓練を経て部隊としての作戦能力(FOC)を獲得したとして、蔡英文総統が出席して式典を開いた。蔡氏は「陸軍航空部隊は軍の主力の一つだ。この部隊を世界一流にするよう求める」と訓示した。

 AH64Eは陸上自衛隊が運用するAH64D「アパッチ・ロングボウ」の改良型。台北など台湾本島北部を中国軍の上陸部隊から防衛する作戦に用いる。

 


タグ:台湾
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース