【浪速風】建国記念の日を素直に祝いたい 偏った歴史観や神話観はうんざりだ(2月10日) [◆之が言いたい]
「梅正に綻(ほころ)びそむる紀元節」「人の世になりても久し紀元節」(正岡子規)。実に素直な喜びがにじみ出ている。子規が活躍した明治には、だれしもそうだったのではないか。紀元節とは、初代神武天皇の即位の日に基づいて定められ
た祝日。現在の建国記念の日に当たる。
▼いま、この日、率直な祝賀の気分がどれほどあるのだろう。占領下、連合国軍総司令部は神道を敵視する政策を行い、2月11日を祝日とすることを認めなかった。独立後も、日本人でありながら日本を嫌悪するような思潮がはびこり、建国記念の日が祝日になるのは遅れた。この日に反対する集会が開かれるのも、戦後のゆがんだ姿である。
▼もう、こんな偏った風潮は終わりにしていい。いや、実際に終わりに向かっているのだろう。神武東征を題材に、誇り高く日本の成り立ちを歌った2日の「海道東征」公演は、今回も大盛況だった。偏った歴史観や神話観はうんざりだ。素直に建国を祝いたい。
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【編集者のおすすめ】迷い、悩み解決のヒントに 『哲学者が伝えたい 人生に役立つ30の言葉』
「哲学」と聞くと、難しそう、自分の日常とは縁がない…と感じる人は多いと思います。本書の企画は、そんなイメージを払拭し、「哲学=役に立つもの」だということを広めたいとの話から始まりました。そこでテーマとしたのが、身近な言葉から学ぶ「和の哲学」。
日本語の中には、日本人が大切にしてきた「和」の思想や哲学を含むものがたくさんあります。例えば、「従う」という言葉。日本人は外国人と比べると従順だといわれます。それは受動的、消極的なマイナスイメージで捉えられることもありますが、実はそうではありません。自分の意志を曲げ、あえて他人に合わせるという選択をしている時点で、能動的なのです。
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【川村妙慶の人生相談】私に冷たかった両親…面倒をみることに理不尽な思いが
相談
3人の子供は社会人となり夫婦2人で暮らしています。私の実家は自動車で2時間ほどの場所にあり、両親が住んでいます。「もう高齢だから面倒をみてほしい」「お金がほしい」と要求しますが、部屋の片付けをしようとすると嫌がります。床の掃除をしていたら「しなくてもいい」と大声でどなったりします。私自身もだんだん高齢になるので、少しずつでも不要なものは処分したいのですが、ままなりません。
私は3人姉妹の長女です。妹2人は県外に住んでいるので、親のことを私1人で引き受けています。ただ、子供のころは姉妹の中で私だけが冷たくされたという記憶があります。今も、父親は私のことを「ばあさん」と呼んだりして神経を逆なでにします。そんな父を黙って見ている母にも腹が立ちます。両親は「死ぬまで面倒をみて」と考えているようですが、理不尽な気持ちでいっぱいです。(熊本県、50代女性)
果報はテレビの前で待つとする。2月11日
【産経抄】2月11日
作詞家の西條八十は若い頃、東京・兜町に入り浸ったことがある。実業家の父がなした財は道楽者の兄に蕩尽(とうじん)された。自身は詩で身を立てたかったが、暮らしのために、家財を質入れして得た3千円で株を買った。
▼世は第一次世界大戦による好景気、含み益は30万円に膨らんだ。銀座の一等地が、1坪数百円という大正期の話である。「僕の野心はせめて五十万円儲(もう)けて」(『私の履歴書』)と売り抜けをためらったが最後、終戦で暴落した。わずか30円が手元に残ったらしい。
▼小紙の株式欄には、「昨年来安値」を示す青色の表示が目立つ。米国の急激な長期金利上昇を引き金に、ニューヨーク株式市場が急落した。日本の株安は、その余波である。世界同時株安となった31年前の「ブラックマンデー」と結びつける報道は、穏やかでない。
▼株価の一時的な調整局面、あるいは世界経済変調の前触れとみる解説もあるが、景気の回復局面が戦後2番目の長さになったとのニュースは、ほんの3カ月前である。好景気と聞いて「どうも実感が」とぼやくことの多い身は、先の読めぬ変転に黙り込むほかない。
▼市場が乱高下する仮想通貨の世界では、含み益が1億円を超えた長者を「億り人」と呼ぶという。実体のない貨幣に有り金のすべてをつぎ込み、狂喜と落胆を重ねる人も多い。バブル崩壊に懲りたはずの日本に、「のど元過ぎれば」のムードが漂うのは気にかかる。
▼西條は残った30円で辞書を買った。そこから多くの詩や歌詞が生まれたことを思えば、何が幸いするか分からない。投機に無縁の小欄は時節柄、カネより金のメダルに心ひかれる。五輪で勇躍する日本勢に、胸を躍らす健全な2週間になればいい。果報はテレビの前で待つとする。
【北朝鮮情勢】巨額支援を引きだし、核開発の時間稼ぎをしてきた南北首脳会談の歴史
【北朝鮮情勢】巨額支援を引きだし、核開発の時間稼ぎをしてきた南北首脳会談の歴史
【江陵=桜井紀雄】北朝鮮が国際的に孤立すると、“ドル箱”として韓国から巨額の支援を引き出し、核・ミサイル開発の時間稼ぎをしてきたのが過去の南北首脳会談の実態だった。だが、今回は中国やロシアも制裁に加わるなど、国際社会の締め付けが強く、文在寅大統領が訪朝に応じたとしても、金正恩朝鮮労働党委員長が望む対価を手に入れられるかは見通せない。
正恩氏の父、金正日総書記と韓国の金大中大統領(当時)の間で最初の南北首脳会談が開かれたのは2000年。この会談と前後し、金総書記は、北朝鮮南東部、金剛山(クムガンサン)での観光事業などで韓国から巨額のカネを引き出すのに成功した。
【主張】建国記念の日 祝典主催は政府の責務だ [1)憂 国]
【主張】建国記念の日 祝典主催は政府の責務だ
政府が率先して祝う日とせねばならない。
今年は明治元(1868)年から起算して150年になる。国民の間にも明治という時代に思いを馳(は)せ、当世への教訓を見いだそうとする動きが広がっている。明治6年に制定され、建国記念の日につながる紀元節を顧みる人も多いだろう。
西洋列強による植民地化の脅威が迫るなか、明治政府は世界に伍(ご)していくため近代国家建設に乗り出した。紀元節の制定は、初代神武天皇が奈良・橿原の地で即位した建国の由来を改めて学ぶことで、国民に一致団結を呼びかける意義があった。
先の大戦後、日本国誕生の物語を遠ざけようとする風潮が強まったのは、何とも残念である。即位に際して神武天皇が、国民を宝とし、世界を一つの家となす「八紘一宇(はっこういちう)」の精神を示したことも軍国主義に結びつけられた。皆が仲良く暮らすことを求めた真意が歪曲(わいきょく)されたというほかない。
よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ
神武天皇以来連綿と継承されてきた平和希求の心をうたいあげた明治天皇の御製である。
【半島有事 起こりうる危機】日本人待避「待ったなしの課題、ピストン輸送を想定」 壱岐・対馬フェリー・真崎越郎社長
【半島有事 起こりうる危機】日本人待避「待ったなしの課題、ピストン輸送を想定」 壱岐・対馬フェリー・真崎越郎社長
朝鮮半島有事を想定した在韓邦人の退避計画が定まらない中、壱岐・対馬フェリー(福岡市中央区)の真崎越郎社長(65)は産経新聞のインタビューに応じ、「退避計画は喫緊の課題だ」とした上で、日韓の国境海上までフェリーを出し、ピストン輸送で対馬などに避難させる手順確認を進めていると明らかにした。
朝鮮半島の緊張は、高いままです。万一を想定し、邦人退避の計画は、待ったなしの課題です。
わが社は福岡・博多港と、長崎の壱岐、対馬を結び貨物フェリーを運航しています。その関係もあり、国民保護法に基づき、武力攻撃事態など有事において、国民の避難や物資輸送に協力する機関として、福岡、長崎両県から指定されています。