伊那食品工業の本社。自然と調和し働きやすい環境が整えられている。

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 「こんなに山深い田舎町の企業に、北は北海道から南は沖縄まで優秀な学生さんがいっぱい来てくれるのは本当に有り難いことです」

 瞳の奥に優しさをたたえた笑顔でこう語るのは伊那食品工業(長野県伊那市)の塚越英弘副社長である。10月3日に80歳の誕生日を迎えた創業者の塚越寛会長の長男で、いずれ同社を引き継ぐのは間違いない。

 日本はここ1~2年で人余りから人手不足へ大きく変わった。就職戦線はかつてない売り手市場となっている。東京の大企業にはそれほど問題ではないことでも地方の中堅・中小企業にとっては死活問題となる。

 しかし、伊那食品工業にとってこうした世の中の変化は全く関係ないという。

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