平成から令和へと御代(みよ)が替わって、はや2年半。今思えば、世界がコロナ禍に見舞われる前に、御代替わりの諸行事の多くが行われたことは幸運だった。しかし、立皇嗣の礼はコロナ禍で延期され、その終了を待って行うことになっていた「皇位継承の在り方を検討する有識者会議」の初会合が開かれたのは、本年3月だった。
今上天皇に至る126代の天皇は、お一方の例外もなく、父親の父親の父親…とたどると初代神武天皇に繋がる「男系」で紡がれてきた。これを「万世一系」という。歴史上には、八方十代の女性天皇が存在するが、すべて、次の天皇となるべき方が幼少であったり、なかなか決まらなかったりしたことによる中継ぎとしての即位であった。
どの女性天皇も、未亡人もしくは生涯独身を通され、在位中にお子様をお生みになられることはなかったため、女系天皇(=父親をたどっても神武天皇に繋がらない天皇)は存在していない。