2020年国勢調査の確定値で、外国人を含む総人口が同年10月1日時点で1億2614万6000人となった。15年の前回調査から約94万9000人減少し、生産年齢人口(15~64歳)は3%減の7508万8000人、65歳以上人口は7%増の3602万7000人と少子高齢化の傾向が鮮明になっている。
こうした状況が先日の本コラムで書いた外国人労働者の拡大方針にもつながっていると思われる。さらには人口減少によって労働人口が減るから、経済が悪くなり、社会保障制度が破綻するというネガティブな未来予想もまかり通っているが、本当だろうか。
まず人口が経済に与える影響を考えてみよう。これまでの人類の歴史では、人口減少より人口増加のほうが大問題だった。有名なものは、マルサスの人口論である。これは1972年のローマクラブの「成長の限界」のベースにもなっている。
最近の経済成長理論でも、人口増加は1人当たりの資本を減少させるので、貧困の原因とされる。
その一方、人口減少には資本増強などまだ対応策がある。