ロシア軍は、2月24日午前、ウクライナに軍事侵攻し、首都キエフや各地の軍事施設をミサイルで空爆した。
米国防総省やウクライナ政府によるとロシア軍は3方向から攻撃し、短距離弾道ミサイルなど1000発以上を使用。
ベラルーシとの北部国境や南部クリミア半島との境界から地上部隊が侵入した。
ロシア軍のウクライナ侵攻は25日も継続している。米国防総省やウクライナ政府によると、ロシア軍は多方向から侵入し、首都キエフや各地の軍事施設を160発以上のミサイルで空爆した。ウクライナ軍兵士40人以上が死亡し、一般市民にも死傷者が出ているとの情報がある。国際秩序を破壊する許しがたい暴挙である。ロシア軍はチェルノブイリ原発を制圧し、キエフ陥落が近いとの報道もある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「核保有国」であることを強調して恫喝(どうかつ)する。ジョー・バイデン米大統領は「プーチンは侵略者だ」と批判し、西側諸国とともに追加制裁を発表した。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は「日本が学ぶべき教訓」に迫った。
林芳正外相は24日、外務省にミハイル・ガルージン駐日ロシア大使を呼び出し、ロシア軍によるウクライナ侵攻に抗議した。ただ、その映像を見た専門家から、疑問の声が噴出している。
「今回の侵攻を強く非難する」「ロシアが行ったことは明らかに国際法違反で、断じて認めることはできない」
林氏はこう語り、ロシア軍撤収と、現地の日本人の安全確保を求めた。
ロシア軍がついにウクライナに侵攻した。演習名目で国境付近に大規模な部隊を集結させたうえで、機を伺って侵攻する手法は1941年7月に日本陸軍が満州で行った「関東軍特種演習(関特演=かんとくえん)」を思い起こさせる。ただ、関特演は対ソ戦をにらんでいたものの、開戦には至らなかったことが単なるデジャブではない点だ。とはいえ関特演は日本の南方進出に結びつき、大東亜戦争に至っている。「歴史は繰り返す」というが、ロシアのウクライナ侵攻は大規模な戦争に発展していくのか。またロシア軍が21世紀の戦争でどのような戦い方をするのか、わが国にとって対岸の火事ではない。 ロシアは2月21日にウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、24日にウクライナに侵攻を開始した。ロシア軍はすでに臨戦態勢にあったにも関わらず、中国との関係を考え同20日の北京冬季五輪閉幕を待っていたと考えられる。
北京で冬季五輪が閉幕した翌21日、世界が一気に緊張に包まれた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナ東部の親ロシア勢力が自称する「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の〝独立〟なるものを承認し、両地域へ「平和維持」の目的でロシア軍を派遣すると命じたからである。
米国のジョー・バイデン大統領は、ロシアによる〝独立承認〟を「国際法への明白な違反」と非難。西側諸国が続々とロシアへの経済制裁を発表したが、何とも迫力不足だ。ロシア側はこの事態に備え、すでに「大量の外貨を準備済み」ともいわれている。日本時間の23日午前にも、バイデン氏は新たな制裁発動を表明したが、残念ながら「後の祭り」感だけが強い。
天皇陛下は23日、62歳の誕生日を迎え、皇居・宮殿で祝賀行事に臨まれた。宮殿「松の間」で、皇族方を代表して秋篠宮ご夫妻からごあいさつを受けた後、皇后さまとともに岸田文雄首相らから祝賀を受けられた。岸田首相が「国民一同を代表し、心からお祝いを申し上げます」と述べると、陛下は感謝を伝え、「この機会に国民の幸せと国の発展を願うとともに、友好各国の元首のご健勝と国民の幸せを願います」と言葉をかけられた。
ロシアがウクライナに侵攻したが、欧米諸国は2月24日に打ち出した第2弾の制裁においても、ロシアに深刻な打撃を与える世界の金融機関の国際取引の決済システム、スイフト(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication SCRL)からのロシアの締め出しを行うことができずにいる。
第2弾の制裁になぜスイフトの制裁が含まれていないか問われた米バイデン大統領は、「オプションとしてはあるが、現在の制裁でも十分な効果があり、現時点では全欧州がスイフトからの締め出しを望んではいない」と答えている。
理由は簡単だ。欧米金融機関がロシアに持つ債権の回収が困難になることに加え、決済システムの利用を阻むと欧州連合(EU)諸国はロシアから、天然ガス、原油、石炭の輸入を行えなくなるからだ。