前回「戦国時代に茶道ブームを引き起こした武野紹鷗の戦略」はリッチな武器商人・武野紹鷗がマネーパワーでバーチャル貧困を演出する侘び茶の世界を築き上げた話をした。歌道の大家である高級公家・三条西実隆の日記にはしょっちゅう〝秘計〟というワードが登場してくるのだが、これは「金策」「お金の工面」という意味。

 金欠で常にピーピー言っていたわけだ。

 紹鷗はそんな実隆の財務アドバイザー、すなわちファイナンシャル・プランナーとなり、諸方面に顔を売って商売に生かしながら、侘び茶の可能性を見いだしたことになる。今回は茶道大流行の基礎を築いたこの「茶湯の巨人」に続いた茶人をテーマに進めていこう。

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