(城郭・戦国史研究家:西股 総生)
北条領国の取り残された「小さな独立国」
東急世田谷線を上町駅で降り、静かな商店街を北に2、3分も歩くと、緑道の先に緑の公園が見えてくる。その名も世田谷城址公園。入口には、かつてここが世田谷吉良氏の居城だったことを記した説明板が立っている。
天皇陛下は17日、皇居・宮中三殿で、この一年の五穀豊穣(ほうじょう)を祈る宮中祭祀(さいし)である「祈年祭」に臨み、拝礼された。
陛下は18日、東京都港区の政策研究大学院大を訪れ、「水と災害に関するハイレベルシンポジウム」を聴講された。陛下は「水」問題の研究をライフワークにされている。
シンポジウムは、茨城県つくば市で第9回洪水管理国際会議(ICFM9)が開催されるのに合わせて開かれた。チャバ・コロシ国連総会議長をはじめ、国連機関の関係者や各国の専門家が参加し、深刻さを増す水災害や気候変動、水に関わる地域の歴史などを題材に講演。陛下はお席で、時折身を乗り出すようにしてスライドを眺め、講演者の話にうなずきながら耳を傾けられていた。
昨年2月24日に勃発したロシアによるウクライナ侵攻から、間もなく1年が経過しようとしている。
昨年秋、東部ハルキウ州および南部ヘルソン州での大規模反転攻勢で、ウクライナは2月24日以降にロシアに占領された領土の40%を解放したとされる。
だが、それでもなお、2014年に併合されたクリミア半島などを含む全国土の約20%をロシアに占領された状況にあり、現在展開中の戦線の長さは1500キロメートルに及ぶとされる。ロシアは昨年10月以降、ウクライナ全土に対する民生インフラへの攻撃も続けており、ウクライナの国民生活は困窮を極めている。
例えば、最近の自民党非主流派の政権との向き合い方を見ていると、「芸」がない。牽制(けんせい)して足を引っ張るか、上手に立ち回って有利なポストを獲得しよう程度の思惑だけがミエミエである。
政治とは、政治家のロマン追求の場である一方、権力闘争の場でもあることから、ある程度は容認できても、いかにも寂しい。ましてや、同じ党である。建設的姿勢も望まれる。
そこへいくと、田中角栄元首相は多彩な「芸」の持ち主であった。敵対した相手にも徹底的に気遣いをし、結果として相手を〝虜(とりこ)〟にしてしまうのが常であった。