(歴史家:乃至政彦)
清洲同盟の実否
尾張・織田信長と三河・徳川家康(当時は松平元康)の同盟「清洲同盟」で、両者は面会していなかったとする説が有力である。このあたりインターネットでも最新の説がどうかは紹介されているようなので、私からさらにその実否を唱える必要はないと思う。
この同盟に関しては、徳川家康の編纂史料で最古のものとされる『松平記』(全六巻)に次の説明があり、概ねこの通りであったと考える。
『安倍晋三回顧録』が話題だ。トランプ前米大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領らへの評価が面白い。個人的に注目しているのが、財務省への評価だ。消費増税の先送りを決めたときに、財務省が安倍降ろしを画策したと安倍元首相は同書で発言している。
「安倍政権批判を展開し、私を引きずり下ろそうと画策した。彼らは省益のためなら政権を倒すことも辞さない」。穏やかではない。この点を国会の質疑で問われた岸田文雄首相は、財務省の安倍降ろしを「感じたことがない」と否定した。〝財務省ムラ〟の住人である岸田首相らしい答弁である。
米国とカナダの領空を侵犯する「飛行物体」が相次いで発見され、米戦闘機が撃墜している。米サウスカロライナ州沖上空で4日、中国の「偵察気球(スパイ気球)」を撃墜したのに続き、10日に米アラスカ州上空、11日にカナダ・ユーコン準州上空、12日に五大湖上空のカナダ領空で国籍不明の飛行物体を撃墜した。「領空での主権侵害」が繰り返されている可能性が高まってきた。
ラスムセン前北大西洋条約機構(NATO)事務総長が、1月13日付けの英フィナンシャル・タイムズ紙掲載の論説‘Taiwan must not suffer the same fate as Ukraine’で、ロシアのウクライナ侵攻から得られる教訓を挙げ、民主主義陣営は台湾を支援することで、中国の台湾侵攻を抑止し、台湾人が自由、民主主義、自己決定の原則により自らの将来を決められるようにしなければならない、と論じている。要旨は次の通り。
第1の教訓。ウクライナの人々は戦う決意があるので、自らの自由・民主と祖国を守り抜いている。台湾に対する中国の軍事攻撃を食い止めるのは、何よりも侵略には膨大な代償を伴うことを相手に知らせることである。