ロシアのウクライナ侵攻が始まり、各国の指導者の個性がかつてない形で際立っている。
コメディアンあがりと揶揄されてきたウクライナのゼレンスキー大統領は揺るぎないリーダーシップを世界から賞賛され、したたかなベテラン策士と恐れられてきたロシアのプーチン大統領は状況を読み違い、袋小路に追い詰められているように見える。そして、超高齢のバイデン大統領は、かつての強引なアメリカとは異なる慎重な対応を続けている。
同じ程度の地震でも、いままでになかった被害が出ることがある。
その1つがタワーマンションだ。30階分以上もの階段を上り下りしたことがある人はいないに違いない。エレベーターはそれほど便利で生活の一部になっている。
しかし、災害時にエレベーターが止まったら荷物を持って階段を上り下りするのは難しい。エレベーターが被災地で一斉に止まれば点検に時間がかかり、復旧に1週間以上かかるケースも想定される。エレベーターだけではない。トイレも使えなくなるかもしれない。
政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」では、原案に2025年の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標が盛り込まれなかったことで騒動となった。
これを、財政再建への姿勢が弱まったように報道するマスコミもあった。しかし、これは財務省の「猿芝居」だった。たしかに、「2025年度の国・地方を合わせたPB黒字化」は消えているが、そのほかのところで、「本方針及び骨太方針2021に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進する」と書かれている。「骨太2021」では、しっかりと「PB黒字化」が書かれているので、何も変わりはないのだ。
かつてであれば、これで自民党もマスコミもだまされて終わる。しかし、今回は、マスコミは相変わらず節穴だったが、自民党は違った。何も変更がないことを目ざとく見つけている。
ロシアのウクライナ侵攻が始まり、各国の指導者の個性がかつてない形で際立っている。
コメディアンあがりと揶揄されてきたウクライナのゼレンスキー大統領は揺るぎないリーダーシップを世界から賞賛され、したたかなベテラン策士と恐れられてきたロシアのプーチン大統領は状況を読み違い、袋小路に追い詰められているように見える。そして、超高齢のバイデン大統領は、かつての強引なアメリカとは異なる慎重な対応を続けている。
(池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長)
政府は6月7日の関係閣僚会合で、今年の夏の電力需給は「きわめて厳しい状況」との認識を示した。しかしそれを打開する具体策は「節電要請」と、電力会社への「火力発電の再稼働」の公募だけだった。
もっと危険なのは、今年(2022年)の冬である。経産省の見通しでは、電力供給の需要に対する予備率は、来年1月にはマイナス6%になり、罰則つきの「電力使用制限令」が発動される見通しだ。それがわかっていて供給力を強化できないのは、なぜなのだろうか。
<以下抜粋>
電力業界はエネ庁の裁量で経営が大きく左右される「国営産業」になり、その非効率なインフラのコストは、すべて電力利用者が負担する。FIT賦課金だけでも2030年までに40兆円を超え、原発の停止で累計30兆円以上の損害が出た。
おまけにエネ庁は脱炭素化のため、2030年までに石炭火力を100基廃止しろと指導した。それがここに来て「火力再稼働の公募」だ。このようにエネルギー問題を政治利用する場当たり的なエネルギー政策が、電力危機の元凶である。
今必要なのは、誰も供給に責任を負わない無責任な電力供給体制を改め、発電業者に供給責任を負わせることだ。特に大事なのは一時的な発電量だけでなく、長期的な設備投資計画である。
(歴史家:乃至政彦)
織田信長といえば、元亀2年(1571)9月の比叡山焼き討ちが有名である。
この焼き討ちをもって、“信長は仏教や僧侶が嫌いだった”という解釈がある。
だが信長は為政者であるから、僧侶や仏教の保護にも熱心であった。形の上では浄土宗に帰依しており、「天下布武」の印判を定めたのも信長と親しい禅僧の沢彦宗恩である。また、信長は傅役・平手政秀の菩提寺として政秀寺を建立させてもいる。
先日、岸田文雄内閣として初となる「経済財政運営と改革の基本方針2022」いわゆる「骨太の方針2022」が閣議決定された。岸田首相は「参院選後、決定した方針を前に進めるための方策を具体化し、経済社会の構造変化を日本がリードしていく」と述べるなど、随分と気合いが入っているようだ。
そもそも骨太の方針とはなんだろうか。「経済財政運営と改革の基本方針」の略称であり、時の内閣の重要政策課題や次年度予算編成の方向性を示す。経済財政政策に関する重要事項について、有識者はじめ優れた識見や知識を活用しつつ、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮することを目的として中央省庁等改革を機に内閣府に設置され、首相が議長を務める経済財政諮問会議の場で、毎年6月上旬ごろに策定される。
筆者は、中央省庁再編直後の内閣府在職時、小泉純一郎内閣での「骨太の方針2001」の策定に、雑用係として末席ながら携わった経験がある。当時の骨太の方針と比べてもかなり総花的になっており、岸田首相の気合の入りようとは裏腹に、「骨太の方針」も随分と骨が細くなったと感じている。筆者同様、言葉は悪いが骨粗鬆症気味に感じた読者も多いことだろう。