先日、岸田文雄内閣として初となる「経済財政運営と改革の基本方針2022」いわゆる「骨太の方針2022」が閣議決定された。岸田首相は「参院選後、決定した方針を前に進めるための方策を具体化し、経済社会の構造変化を日本がリードしていく」と述べるなど、随分と気合いが入っているようだ。

岸田首相は骨太の方針に気合が入っているが、その中身は(つのだよしお/アフロ)

 そもそも骨太の方針とはなんだろうか。「経済財政運営と改革の基本方針」の略称であり、時の内閣の重要政策課題や次年度予算編成の方向性を示す。経済財政政策に関する重要事項について、有識者はじめ優れた識見や知識を活用しつつ、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮することを目的として中央省庁等改革を機に内閣府に設置され、首相が議長を務める経済財政諮問会議の場で、毎年6月上旬ごろに策定される。

骨が細くなった「骨太の方針」

 筆者は、中央省庁再編直後の内閣府在職時、小泉純一郎内閣での「骨太の方針2001」の策定に、雑用係として末席ながら携わった経験がある。当時の骨太の方針と比べてもかなり総花的になっており、岸田首相の気合の入りようとは裏腹に、「骨太の方針」も随分と骨が細くなったと感じている。筆者同様、言葉は悪いが骨粗鬆症気味に感じた読者も多いことだろう。

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