(太田 肇:同志社大学政策学部教授)
“マスク警察”が去ってもマスクを外せない日本人
新型コロナウイルスの第7波はようやく感染者や重症者の数も頭打ちになってきた感があるが、道行く人は厳しい残暑で汗だくになりながら、誰一人マスクを外していない。表情の見えない人々が行き交う街は殺伐としていて、薄気味悪い。
いっぽう海外に目を向けると、アメリカやイギリスなど欧米では、すでにほとんどの人がマスクを外して普通に生活しているだけに、日本社会の特異さが際立っている。
(太田 肇:同志社大学政策学部教授)
新型コロナウイルスの第7波はようやく感染者や重症者の数も頭打ちになってきた感があるが、道行く人は厳しい残暑で汗だくになりながら、誰一人マスクを外していない。表情の見えない人々が行き交う街は殺伐としていて、薄気味悪い。
いっぽう海外に目を向けると、アメリカやイギリスなど欧米では、すでにほとんどの人がマスクを外して普通に生活しているだけに、日本社会の特異さが際立っている。
(立花 志音:在韓ライター)
デモで物事を解決しようとする韓国人の心理を探る。
「ごめんね。立花さん。来週の木曜日なんだけど、急用が入っちゃって。ランチの約束、延期してもらってもいい? せっかく誘ってもらったのに、ほんとにごめんね」
とある土曜日、同じ市内に住む日本人ママ友から連絡が入った。別に何の変哲のない日常会話である。
しかし、その当日の夜から翌日の朝にかけて、ネットニュースには「彼女の急用」だったと思われる出来事が報道されていた。
防災と防衛はいずれも災いへの対応だ。前者での災いは災害であり、後者での災いは武力攻撃である。これらの災いは多くの人命に関わるものだが、日本人の防災と防衛への向き合い方には大きなギャップがある。
それが如実に現れる時期は、8月初旬から9月上旬にかけてだ。本稿では、9月1日の防災の日、8月6日の広島原爆の日および8月9日の長崎原爆の日における日本人の対応に焦点を当て、そのギャップについて考えてみたい。
9月1日は、1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんだ「防災の日」だ。関東大震災による死者・行方不明者は推定10万5000人であり、この数は明治以降の日本の地震被害としては最大である。
<以下抜粋>
多くの日本人は、災害という災いは自然現象であり、人間が災害の発生を防ぐことはできず、いずれは発生することを前提にして対策を講じている。その一方、武力攻撃という災いは自分たちで防ぐことができると考える人々も多いかもしれない。なぜなら、原爆投下も東京大空襲も日本が戦争を始めた結果としての災いであり、日本が戦争を始めなければ防ぐことができたとの思いは、多くの日本人の心の中に根強く漂っているからだ。
したがって、広島原爆の日、長崎原爆の日、そして終戦記念日には、犠牲者への追悼と共に二度と戦争を始めないという反省が語られる。そして、日本が戦争を始めなければ武力攻撃には晒されないと思い込みが強まれば、これらの日は専ら追悼と反省に費やすべき日となり、武力攻撃に備えた訓練を行うという発想は生まれない。また、将来を担う子供たちに戦争は悪だと教える一方、防衛について教えようとはしなくなる。
もちろん、防災にも思い込みは存在した。日本の原発は事故を起こさないとする原発安全神話がその代表だ。
今やその神話は捨て去られたが、神話を信じた代償は大きい。日本が戦争を起こさなくても、日本を侵略する意志と能力のある国は日本を攻撃する。
ロシア・ウクライナ戦争は、ウクライナが始めたのではない。ロシアが不当にもウクライナを侵略しウクライナ国民に甚大な犠牲を強いているのだ。
日本人は、日本が戦争を始めなければ武力攻撃に晒されることはないとの神話から脱却し、起こり得る不当な武力攻撃への備えに取り組むべきだ。再び甚大な犠牲を被ってから神話を信じたことを悔やんでも、遅すぎるのだ。
中国による軍事的覇権拡大が進むなか、自民党の麻生太郎副総裁の講演が注目を集めている。「台湾有事」が勃発した場合、沖縄などが戦争に巻き込まれる可能性が考えられると指摘し、抑止力強化の必要性を強調したのだ。現在、沖縄県知事選(11日投開票)の真っただ中だが、不思議なことに「沖縄有事」は主要争点になっていない。岸田文雄政権は国民の生命と財産を守るため「防衛力の抜本的強化」を掲げており、防衛省は2023年度予算の概算要求で過去最大となる5兆5947億円を計上した。ただ、韓国の国防予算案より少ない額に、本気度が問われそうだ。
岸田文雄首相は31日、新型コロナウイルス感染による10日間の療養を終え、官邸での通常公務に復帰。同日午前11時からの記者会見では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」をめぐる見解などを表明する。岸田首相は公邸でのリモート公務中、ロシアのウクライナ侵攻による燃料高騰が日本経済を直撃していることを受け、「次世代型原発の実現」を検討する方針を示すなど、原発・エネルギー政策を大転換した。一方で、日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた中国に対し、ケジメも付けずに歩み寄るような外交姿勢も見られる。支持率急落に直面する岸田政権は、国民の支持をつなぎ留められるのか。