(山田敏弘・国際ジャーナリスト)
5月19日から開幕される広島G7首脳会議(広島サミット)が世界から注目されている。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な台頭などによって、世界が揺れ動いている中でのG7サミットだからだ。
特に中国に対してはG7が厳しい姿勢を示す機会となりそうだ。事実、ロイター通信(5月13日付)は、G7サミットの共同声明で、「中国に特化した項目」を設け、「これまでの経済的威圧やその他の振る舞い」を含め懸念事項を列挙する見通しだと報じている。
G7(先進7カ国)首脳会議は19~21日、広島市で開催される。ロシアによるウクライナ侵攻や、中国による軍事的覇権拡大に対し、G7が「力による現状変更」は決して認めないという、結束を示す場となる。
加えて、議長である岸田文雄首相は、地元の被爆地・広島で、「核兵器のない世界」の実現を提唱するようだ。
バラク・オバマ元大統領も2016年5月に広島で、「核保有国が核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」と演説した。
19日開幕の広島G7サミットに対抗する形で、中国は18、19日に北西部の陝西省で「中国・中央アジアサミット」を開催する。
習近平国家主席が議長を務め、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンなど中央アジア5カ国の首脳が参加する。中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」の協力の拡大などについて議論するとみられる。
G7サミットでは中国の覇権拡大に対する西側諸国の結束がテーマとなる。イタリアは、問題が多い「一帯一路」からの離脱を検討するなど対中姿勢を強化している。
中国としてはG7による対中包囲網を牽制(けんせい)するとともに、国際社会での孤立感を薄める狙いもうかがえる。
19日に広島で先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開幕する。その注目点はどこになるだろうか。
まず広島でなければできないことは、各国首脳による原爆資料館の訪問・視察だ。1955年の開館以来、今年3月31日までの総入館者数は7589万4579人にのぼる。多くの日本人は、修学旅行などで訪れているはずで、筆者も修学旅行をはじめ広島に来た際にはしばしば訪問している。ただし外国人は多くない。せっかく各国首脳が広島に来るのだから、見ないのはもったいない。
天皇陛下は16日、皇居内の生物学研究所脇にある水田で田植えをされた。水色のシャツに紺色のズボン、長靴姿で水田にしゃがみ込み、うるち米の「ニホンマサリ」ともち米の「マンゲツモチ」の苗計20株を1株ずつ丁寧に植えられた。
皇后さまは18日、東京都渋谷区の明治神宮会館を訪れ、名誉総裁を務める日本赤十字社主催の全国赤十字大会に臨席された。名誉副総裁の秋篠宮妃紀子さま、常陸宮妃華子さま、寬仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまも同席された。
(山田敏弘・国際ジャーナリスト)
5月19日から開幕される広島G7首脳会議(広島サミット)が世界から注目されている。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な台頭などによって、世界が揺れ動いている中でのG7サミットだからだ。
特に中国に対してはG7が厳しい姿勢を示す機会となりそうだ。事実、ロイター通信(5月13日付)は、G7サミットの共同声明で、「中国に特化した項目」を設け、「これまでの経済的威圧やその他の振る舞い」を含め懸念事項を列挙する見通しだと報じている。
来るべき時が来た――。
そう表現していいのかどうか定かではないが、人間が創り出したモノがいま人間を凌駕しようとしている。人工知能(AI)である。
特に「AIの父」ともいわれる英ジェフリー・ヒントン氏(75)が最近、ニューヨーク・タイムズ紙の取材で、「今のような規制がないままAI技術を推進していくことは危険」と発言したことで、かねて憂慮されていた人間がAIに「食われてしまう」可能性が取り沙汰されている。
しかもヒントン氏は、「AIをコントロールできるかどうかが判明するまで、これ以上AIの開発はすべきではない」と警鐘を鳴らしている。
4月20日、東京地裁で東京都在住者の所有する宮崎県宮崎市の山林が伐採業者により無断でスギ69本を伐採された事件の公判が開かれた。同じ業者に自身の山林を7年前に盗伐された宮崎県盗伐被害者の会の海老原裕美会長は、この公判に出廷し宮崎県で起きている盗伐の実態を陳述した。
それによると、宮崎県の盗伐被害者は1000世帯を超えており、膨大な樹木が違法に伐られ持ち去られているが、被害者の多くは高齢者や県外在住者で、発覚しづらい相手を狙ってブローカーが暗躍しているという。また盗んだ木材を安く市場に出すため、木材価格が値崩れしているうえに、伐採跡地は放置され土砂崩れなどが発生していると訴えた。