【限定公開】中台紛争が勃発した日、日本の〝戦場化〟は避けられない [2)世界・軍事]
「家族はすでに避難」旧知のキエフ市民が語った危機への覚悟 [2)世界・軍事]
「家族はすでに避難」旧知のキエフ市民が語った危機への覚悟
(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
緊迫するウクライナ情勢。ロシアがウクライナ国境付近に展開していた軍の一部の撤収をはじめたと15日に発表したかと思えば、16日には米国のブリンケン国務長官がこれを否定して「むしろ国境付近に軍が集結している」とテレビのインタビューで公言。17日にはバイデン大統領がホワイトハウスで記者団から、ロシアのウクライナ侵攻の可能性について問われると、「非常に高い。私の感覚では今後数日中に起こると思う」と述べる一方で、米ロ両国は翌週の外相会談を調整している。
[>]令和の日本にこの覚悟はあるのか?
たった一度の敗戦で
国防を忘れ国を守る気概も知恵もなくした戦後日本
リムパックに台湾招待か バイデン大統領が米国防権限法に署名 識者「実現すれば参加国間の連携確認できる有意義な機会に」 [2)世界・軍事]
リムパックに台湾招待か バイデン大統領が米国防権限法に署名 識者「実現すれば参加国間の連携確認できる有意義な機会に」
ジョー・バイデン米大統領が、米議会が示した「台湾防衛」への強い決意に同調した―。バイデン氏は27日、2022会計年度(21年10月~22年9月)の国防予算の大枠を決める国防権限法案に署名し、成立した。同法は、米海軍が主催する「環太平洋合同演習(リムパック)」に台湾を招待するようバイデン政権に促していた。果たして、実現するのか。
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国防権限法によると、国防予算の総額は約7780億ドル(約89兆円)規模。中国が武力統一の可能性を排除していないことを念頭に、台湾の安全を脅かす状況に対抗する能力を米国と台湾が維持することを支持した。インド太平洋地域における、米軍の抑止力を強化するための基金「太平洋抑止構想」(PDI)に約71億ドルを充てた。
米議会が中国抑止に強い決意 リムパックへの台湾招待、予算明記 識者「『中国への挑戦状』たたきつけた格好だ」 [2)世界・軍事]
米議会が中国抑止に強い決意 リムパックへの台湾招待、予算明記 識者「『中国への挑戦状』たたきつけた格好だ」 1/2ページ
米議会が「台湾防衛」に強い決意を示した―。米上院は15日、2022会計年度の国防予算の大枠を決める国防権限法案を賛成多数で可決した。法案では、軍事的覇権拡大を進める中国への対抗姿勢が鮮明化したが、中でも、ジョー・バイデン政権に米海軍が主催する「環太平洋合同演習(リムパック)」に台湾を招待するよう勧奨したことは注目される。
「米国と密接に協力して台湾海峡と地域の平和と安定を守っていく」
米上院による招待要求を受け、台湾外交部は16日、こう感謝を表明した。国防部も同日、「感謝」を示した。
リムパックは1971年以来、隔年で実施される世界最大規模の海上軍事演習。ハワイ沖で行われ、日本を含め、米国の同盟国を中心に相互連携を確認している。
恐怖のシナリオ、“中露同時侵攻”の可能性 ウクライナ情勢が「台湾有事」を誘発か、中国は「戦わずして勝つ」兵法 北京五輪閉幕後が危険 [2)世界・軍事]
恐怖のシナリオ、“中露同時侵攻”の可能性 ウクライナ情勢が「台湾有事」を誘発か、中国は「戦わずして勝つ」兵法 北京五輪閉幕後が危険1/3ページ
ウクライナ情勢の緊迫が、「台湾有事」「日本有事」を誘発しかねない。ロシアがウクライナ国境近くに10万人近い軍隊を集結させており、米国や欧州各国が対応に追われているのだ。習近平国家主席率いる中国は11月、台湾の防空識別圏(ADIZ)に戦闘機や爆撃機を計159機も進入させるなど軍事的威圧を強めているが、東アジアでの米国の抑止力が低下したと判断した場合、何らかの行動に出る危険性がある。ジョー・バイデン米大統領や、岸田文雄首相の覚悟とは。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が「中露同時侵攻」の可能性を考察した。
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ロシアが再び、ウクライナに侵攻する可能性が強まっている。一方、中国による台湾侵攻も取り沙汰されてきたが、果たして、「ロシアと中国の同時侵攻」はあるのか。
先に結論を言えば、私は「もしもロシアが侵攻に踏み切るなら、中国も後に続く可能性は高い」とみる。中国にとって、これほど有利な条件は考えにくいからだ。隣国の戦争突入など、そうそうある話ではない。
台湾軍、グアム極秘訓練で“米台連携深化” 台湾国防相も報道認める 識者「中国も黙っているわけにはいかず…軍事的行動の可能性ある」 [2)世界・軍事]
台湾軍、グアム極秘訓練で“米台連携深化” 台湾国防相も報道認める 識者「中国も黙っているわけにはいかず…軍事的行動の可能性ある」
台湾海軍陸戦隊(海兵隊)が、米グアムで米軍と合同訓練を行っていると、台湾メディアなどが報じた。中国が軍事的覇権拡大を進めるなか、台湾の蔡英文総統は先月末、台湾での米軍の活動を正式に認めたばかり。米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長も3日、米軍の「台湾防衛能力」が「確実に」あると明言した。
「海軍陸戦隊がグアムで米軍と合同訓練」「国防部長『交流の一環』」
台湾・中央通信社が運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は2日、このようなタイトルの記事を伝えた。一部メディアが報じた合同訓練を、邱国正国防部長(国防相)が認めたという。報道では、隊員40人がグアムに派遣され、水陸両用上陸作戦の合同訓練が行われているという。
米国の統合参謀本部議長辞任問題で考える核攻撃命令 [2)世界・軍事]
ウイリアム・ペリー元米国防長官が、10月4日付のウォールストリート・ジャーナル紙に「一人の人間が核のボタンをコントロールすべきではない。議会は協議を要求すべきである。そうすれば、将軍は世界を救うためにルールをやぶらなければならないことにはならない」との論説を書いている。
トランプ政権末期にミリー統合参謀本部議長が中国の党中央軍事委員会の李作成参謀長に2回電話をし、対中攻撃の計画はないと述べたことがウッドワードなどの新刊本『危機』で暴露され、それをめぐってトランプ前大統領、ルビオ上院議員などが反逆行為であるとして、ミリーの辞任、解任を求めている。
このペリー論説はそういう中でミリーの行動を弁護するとともに、こういう問題が今後起きないように米国の核使用についての決定は大統領のみが行うのではなく、大統領が議会指導者と協議のうえで行うようにすべきであるとの提言をしている。
韓国のSLBM「出来損ないの兵器」…北朝鮮が分析 [2)世界・軍事]
韓国のSLBM「出来損ないの兵器」…北朝鮮が分析
北朝鮮の国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長は20日、韓国が試射した潜水艦弾道ミサイル(SLBM)に対して「出来損ないの兵器」であるとの分析を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
韓国は15日、文在寅大統領立会いのもと、SLBMの発射実験に成功したと発表した。韓国は「世界で7番目のSLBM保有国」としているが、同国に先立ち、北朝鮮も発射実験に成功している。
【安全保障最前線】米海軍大将の著作「2034」に問題あり 現実離れしたシナリオ、サイバー攻撃を過剰に重視 [2)世界・軍事]
【安全保障最前線】米海軍大将の著作「2034」に問題あり 現実離れしたシナリオ、サイバー攻撃を過剰に重視
元NATO(北大西洋条約機構)軍最高司令官、ジェームス・スタヴリディス米海軍大将(退役)の小説『2034』は米中核戦争を扱っており、米国では10万部以上のベストセラーになっている。しかし、大将が書いた著作としては問題が多い。
まず、シナリオに問題がある。
『2034』では、米海軍の艦艇37隻が中国海軍に撃沈され、米本土の重要インフラにも大規模なサイバー攻撃を受ける。米国は報復として、中国の湛江市に戦術核攻撃を行う。中国はこれに対し、米国の2都市に戦術核攻撃を行い、米国はさらなる報復として、中国の上海市を含む3都市に核攻撃を行う-というストーリーだが、現実離れしている。
アフガンのガニ大統領はなぜ真っ先に逃げたのか [2)世界・軍事]
【スクープ最前線】米当局、中国「生物兵器計画」の極秘報告書入手か 着々と集まる「核心情報」 米超党派「中国共産党が崩壊する日を待ち望む」 [2)世界・軍事]
【スクープ最前線】米当局、中国「生物兵器計画」の極秘報告書入手か 着々と集まる「核心情報」 米超党派「中国共産党が崩壊する日を待ち望む」
習近平総書記(国家主席)率いる中国共産党は、創建100周年となる7月1日を目前に控え、祝賀行事の最終準備を進めている。だが、米国中心の民主主義陣営は甘くない。ジョー・バイデン米大統領は5月下旬、世界全体で390万人以上の死者を出している新型コロナウイルスの「起源」に関する追加調査を情報機関に指示した。中国当局による人権弾圧や軍事的覇権拡大も放置しない。着々と集まり始めた「核心情報」とは。ジャーナリスト、加賀孝英氏による最新リポート。
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中国共産党は来月1日、創建100周年の記念式典を行う。派手なセレモニーを開催して、習氏の威信と権威を全世界にアピールするつもりだ。
だが、笑止千万だ。習氏よ、よくお読みいただきたい。米議会から、100周年に合わせて、共産党独裁政権を潰そうという動きが出てきた。
元海軍大将が描く「米中戦争」シナリオ、米軍が上海を核攻撃、死者3000万人超 [2)世界・軍事]
■今回の一冊■
2034: A Novel of the Next World War
筆者 Elliot Ackerman、 Admiral James Stavridis
出版 Penguin Press
南シナ海で中国がアメリカの軍艦を撃沈し、並行して台湾へ攻め入り支配下に置く。中国人民解放軍によるサイバー攻撃で通信網も打撃を受けたアメリカは核兵器での報復に踏み切る。近未来の2034年を舞台にした米中戦争を描く小説だ。元米海軍大将がプロの作家と組んで上梓した作品でアメリカで売れている。
13年後の米中戦争を描いたのは、北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍の最高司令官だったジェイムズ・スタヴリディス元米海軍大将だ。地政学リスクに関する著作も持つ有名人がものした小説だけあって、ニューヨーク・タイムズ紙の3月28日付の週間ベストセラーリストの単行本フィクション部門で6位に入った。
【展望 米中覇権争い】中国は宇宙戦で「制宙権」を目指す! 人民解放軍が主導権握り軍事優先、日本の衛星も標的に [2)世界・軍事]
【展望 米中覇権争い】中国は宇宙戦で「制宙権」を目指す! 人民解放軍が主導権握り軍事優先、日本の衛星も標的に
「宇宙を制する者が世界を制する」という格言がある。宇宙空間は今や、軍民両分野において最も重要な空間であり、米中が「制宙権(=宇宙の支配権)」を巡る争いを展開している。その中で、中国の宇宙開発の特徴は、人民解放軍(PLA)が主導権を握る軍事優先である。
中国の宇宙開発は最近、驚くべき成果を出している。だが、以下記述する中国の「月探査」「火星探査」「宇宙ステーションの建設」はすべて、軍民両分野における制宙権を握るためのプロジェクトであることを最初に指摘したい。
2019年1月、月探査機「嫦娥4号」は月の裏側への難しい着陸に成功した。20年6月、宇宙シルクロード構想の骨幹である中国版GPS「北斗衛星導航系統」を完成させ、正確なナビゲーションと時報サービスを世界各国に提供している。
台湾有事と朝鮮半島有事は同時に始まる [2)世界・軍事]
台湾有事と朝鮮半島有事は同時に始まる
最近、「香港の民主化運動を力で押さえつけ、北京オリンピックが終われば、中国は台湾に侵攻する」といった情報がある。
一方、北朝鮮(以後、北)は、虎視眈々と韓国占領を狙っている。
台湾有事と朝鮮半島有事とが、それぞれ別個に注目されているが、私が恐れるのは、それらが同じ時期に引き起こされることだ。
中国と北は、1961年に「中朝友好協力および相互援助条約」という軍事同盟を結び、60年経過した現在でも、中国が有事の場合いつでも朝鮮半島に軍事介入できることを定めた「自動介入」条項が存続している。
尖閣諸島を死守しなければならなくなった米国 [2)世界・軍事]
尖閣諸島を死守しなければならなくなった米国
米国のジョー・バイデン大統領は、世界の首脳の中で最初に対面会談する相手として日本の菅義偉首相を選んだ。
米国にとって日本は最も重要な国だと世界に示した形である。会談では、覇権主義的な行動をとり国際秩序を乱す日米の共通の敵である中国に、共同で対抗するという認識で一致した。
併せて、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調、「日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」ことが再確認された。
具体的には、日本には最前線である尖閣が有事になれば、米国に介入してもらう。台湾には、米国に現状維持を支持・支援してもらうというものだ。
南シナ海に中国漁船220隻! 海上民兵が配備 尖閣も同様の“襲撃”を受ける危険性 「何が起きても不思議ではない」潮匡人氏 [2)世界・軍事]
南シナ海に中国漁船220隻! 海上民兵が配備 尖閣も同様の“襲撃”を受ける危険性 「何が起きても不思議ではない」潮匡人氏
フィリピンが排他的経済水域(EEZ)内とする、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺に、約220隻もの中国漁船が集結していることが分かった。フィリピン政府は、中国の海上民兵が配備したとみている。先週の米中外交高官会談では、米国が中国による軍事的覇権拡大を強く非難したが、聞く耳を持たないようだ。沖縄県・尖閣諸島が、同様の“襲撃”を受ける危険性もありそうだ。
「軍事拠点化という明確な挑発行為だ」「侵略をやめ、海洋主権を侵害している船舶を直ちに撤退させるよう中国に求める」
フィリピンのテオドロ・ロクシン外相は21日、外交ルートを通じて中国側に抗議したとツイッターで明らかにし、深刻な懸念を表明するこうした声明を発表した。
中国が「中印国境の死闘映像」公開、次は尖閣が舞台 [2)世界・軍事]
中国が「中印国境の死闘映像」公開、次は尖閣が舞台
中国が突然、公開したインドとの「死闘」映像が、波紋を広げている――。
2月19日、CCTV(中国中央電視台)の7チャンネル(軍事チャンネル)が、8分41秒の衝撃的な映像を公開した。それは昨年6月15日、中印国境のカラコルム山脈のラダック地方で、両軍が衝突し、インド側兵士20名が死亡したものだ。インド側からは、「中国側兵士も約40名死亡した」との証言が上がってきていたが、中国側はこれまで、この事件自体をひた隠しにしていた。
それがいまになって唐突に、「死闘」映像の公開に踏み切ったのである。それは、ざっとこんな内容だ。
中国が侵攻なら台湾「戦う」 世論調査8割が回答 米国、ミサイルなど新たに武器売却へ [2)世界・軍事]
中国が侵攻なら台湾「戦う」 世論調査8割が回答 米国、ミサイルなど新たに武器売却へ
習近平国家主席率いる中国共産党政権は、連日のように台湾に軍事的圧力をかけている。これに対し、「自由・民主」「人権」「法の支配」を重視する台湾では、中国から軍事攻撃を受けた場合、「台湾のために戦う」と考える人々が8割近くに上った。米国は、台湾防衛のために対艦ミサイル最大400基を含む武器を、新たに台湾に売却することを決めた。
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「中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入 先月中旬以降で24回目」
台湾の中央通信社が運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は27日、このようなタイトルの記事を報じた。
中国人民解放軍のY8対潜哨戒機とY8情報収集機が26日、台湾南西の防空識別圏に侵入したことを伝えたものだ。中国軍機の侵入は、活動を活発化させた9月16日以降で24度目という。
戦争もAI時代に本格突入、無人機に勝てない「F-35」 [2)世界・軍事]
戦争もAI時代に本格突入、無人機に勝てない「F-35」
2020年8月、米国・国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)が主催する「アルファ・ドッグファイト競技会」のメインイベントで、人間と人工知能(Artificial Intelligence:AI)による「F-16」をシミュレートした空中格闘戦(ドッグファイト)が史上初めて行われた。
結果は「ヘロン・システム社」のAIが経験豊富な元空軍F-16パイロットに5-0で圧勝した。
この競技会はDARPAの「空中戦の進化(Air Combat Evolution:ACE)」プログラムの一環として実施されたものである。ACEプログラムについては後述する。
今回の競技会は、実機ではなくシミュレーション上で行われたものであるが、近い将来、AIが操縦する実機が、経験豊富なパイロットが操縦する実機に勝利することが予見される。
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地中海のガス田巡りギリシャとトルコが一触即発に [2)世界・軍事]
東地中海で、ギリシャおよびその友好国とトルコとが、ガス田をめぐって対立を強めている。ギリシャとトルコはともにNATO加盟国である。
東地中海では2010年ごろから大規模なガス田が次々に発見されたが、その価値は7000億ドル相当と言われる。開発はイスラエルが先鞭をつけ、エジプトやギリシャなどが続いた。今はギリシャ、キプロス、イスラエル、エジプト、イタリア、ヨルダン、それにパレスチナが協力して開発している。
トルコは、ギリシャの領有権主張や、エルドアン大統領の攻撃的振る舞いが原因で合同開発から外された。そこでトルコは2019年11月リビアの暫定政府とEEZの境界を確定する合意を結んだ。この合意により東地中海でトルコとリビアのEEZが接することとなり、イスラエルやギリシャなどが天然ガスを欧州に輸出する障害になりかねない。次に、トルコはキプロスのEEZ内で天然ガスの試掘を始めた。トルコはキプロスを国家として承認しておらず、したがって、キプロスのEEZも認めないという立場である。これにギリシャ他の国々が反発したのは当然である。
中国の南シナ海進出に経済でも圧力をかけ始めた米国 [2)世界・軍事]
中国の南シナ海進出に経済でも圧力をかけ始めた米国
8月26日、米国は南シナ海で人工島や施設の建設に関与してきた中国交通建設など24企業に対する輸出規制や役員の米入国の規制などの制裁措置を発表した。商務省の「エンティティ・リスト」にこれら24企業を追加し、米国製品の輸出を事実上禁止する措置である。これに関して、8月26日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説は、米国政府の今回の制裁を評価している。
制裁措置は、直接の効果は別として、中国の南シナ海政策のコストを引き上げるとともに、東南アジアの国々のこれら問題企業に対する姿勢を一層慎重にさせるだろうと述べている。なお、中国交通建設は、国有資本による従属会社で、関係企業は港湾、河川、道路、橋梁、鉄道、浚渫などの交通インフラの建設や設計、港湾向けの大型機械の製造などを行っている。同企業は「一帯一路」の活動もしているのであろう。
今回の米国の措置は、大きな直接効果があるかどうかは分からないが、評価される。最近、米国は中国による南シナ海軍事化に対する反対を強めている。7月13日は、中国の南シナ海での九段線等の領有権主張等を非合法とした2016年7月12日のハーグ仲裁裁判所の判決の4周年に当たる日の翌日だったが、この日、ポンペオ国務長官は、声明を発出し、「中国が南シナ海を自らの海洋帝国として扱うことを世界は認めない」と述べるとともに、仲裁裁判所の判決に「米国の立場を一致させる」と述べ、中国の主張は「全面的に非合法」と、それを否定した。また米国は、英国や豪州など関係諸国と協力して、南シナ海で「航行の自由作戦」を強化している。8月26日にも米国は南シナ海へ偵察機R132を飛来させた。なお、7月のポンペオ声明は歓迎されるが、もっと早期に明確にすべきだったという意見もある。