千代田区立麹町中学校の生徒はどこまでも自分たちの頭で考え、実行する。そうして形作られる学校行事として、5月に開催された体育祭と双璧を成すのが10月の「麹中祭」。一般に「文化祭」や「学園祭」と呼ばれる行事に当たるイベントだ。生徒たちで構成された実行委員会を中心として、対立を恐れず、ときには激しい言葉も飛び交う議論を経て準備が進められた。当日の様子を伝えるとともに、後日、実行委員の2人にインタビューした内容を紹介したい。

2018年10月27日、千代田区立麹町中学校の校門にて

唯一のミッションは「観客を楽しませること」

 会場の体育館には、開演時間前から数多くの保護者が詰めかけていた。場内は、ざっくりと分けて前方ステージ側に生徒席、その後ろに保護者席がレイアウトされていた。よくよく見てみると、埋め尽くされた生徒席のさらに前方は空席となっている。その理由はアナウンスによってすぐに分かった。

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「場内前方には、交代でお座りいただける保護者優先席を設けています。該当する出し物の際にはぜひご利用ください……」

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