中国山東省棗荘(そうそう)市の高校の運動会で披露された、安倍晋三元首相の暗殺事件を題材にした生徒の寸劇の様子を写した動画が短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に投稿され、波紋を広げている。日本でも、作家で法政大学教授の島田雅彦氏が今年4月、「暗殺が成功して良かった」などとネット番組で発言して批判を浴びた。教育部門の地元当局は、学校側に調査と状況報告を行うよう促したという。
中国の動画によると、安倍氏のお面をつけて椅子の上で演説する生徒に対し、別の生徒が拳銃を模した小道具を向けて2発発砲する様子を再現。安倍氏役が倒れると、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を念頭に、「2発の銃声で死体は冷え、汚水の海洋放出は将来に災いを残す」と書かれた横断幕が広げられた。来場者から歓声と拍手が上がった。
中国の習近平国家主席は、安倍氏の暗殺事件直後、「突然の死に痛惜を感じる」とのメッセージを日本に送っている。今回の寸劇を、中国の人々はどう受けて止めているのか。
サイト上では、「愚かで無知だ」と非難の声が上がる一方、「中国の希望だ」「正義の生徒を称賛する」とする肯定的な意見も目立ったという。