東日本大震災が巨大地震と津波、そして東京電力福島第1原子力発電所のメルトダウンをもたらしてから12年の年月が流れた。全国放送が追悼と回顧、希望と悔恨を描くなかで、西日本のNHKの地方局が、「南海トラフ地震」に備えて、東日本大震災から学ぶ特別番組を放送した。政府の予測によれば、今後30年以内に70%から80%の確率で発生する可能性があるとしている。

東日本大震災の当時の被害状況(enase/gettyimages)

 「事件は近いものほど事件である」と新聞記者になりたての頃、叩き込まれた。嫌な言い方をお許し願えば「遠くの火事よりも近くの火事に人々の関心はある」ということになる。

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