【独話回覧】今の財政出動では景気のＶ字型回復は無理だ 現金給付を再び出さないなら「消費税大型減税」を
緊急事態宣言下の東京の週末、西武池袋線の電車に乗ると、乗客が少なく静かである。いかにも利発そうな小学校高学年の男の子とお父さんの会話が聞こえてきた。「パパ、景気が悪いというけど、政府がお金をじゃんじゃん刷ってばらまいたらよくなるんじゃないの」。生真面目そうな父親は「どうかなあ」と返答に困った様子だ。
子供の思い付きだと一笑に付してはならない。経済学の世界で「ヘリコプターマネー」の寓話（ぐうわ）がある。政府や中央銀行がカネを大量に刷ってヘリからばらまけば不況対策になるというものだ。
新型コロナウイルス不況対策として、日本で昨年４月に実施された国民２人当たり一律１０万円の現金給付こそはまさに「ヘリマネ」と言っていいのだが、政府もメディアもそうは言わない。コロナ禍で大変なときに、茶化したような印象をふりまくと考えたからなのか、それとも知識不足から気付かなかったかもしれない。
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