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新聞社の裏側と記者の苦悩を描く上質なミステリー [◆マスコミ]

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(Vlady9 / gettyimages)

 BSプレミアム「歪んだ波紋」(毎週日曜午後10時)は、フェイク・ニュースの作り方を指南するダークサイトをめぐる、上質なミステリーである。原作は神戸新聞出身の作家・塩田武士の短編集。ドラマは、新聞社の裏側と新聞記者の苦悩を、丹念に描いた傑作といえるだろう。

 新神奈川日報(新神奈川)の文化部の記者だった、沢村政彦(松田龍平)は報道部の調査報道チームの一員に引き上げられて、友軍記者として働いている。チームは、デスクの中島有一郎(勝村政信)と、大手新聞・大日から転職してきた桐野弘(筒井道雄)との3人である。沢村(松田)の父・一平(角野卓造)も、全国紙の大日の社会部長を務めながら急死した記者だった。

 チームのデスク・中島はかつて、地元大学病院の治療ミス事件の特ダネの成果をあげてきたが、最近は大きなネタに恵まれず、社内的に追い込まれていた。起死回生策として狙ったひとつは、地元の市長選にテレビのコンメンテーターをしている、コンサルタントが出馬するネタだった。ふたつ目は、乗用車のひき逃げ事件で夫が死んだ、妻の森本敦子(小芝風花)が実は容疑者ではないかという疑惑だった。

 

 

 

 


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