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森田梅泉・笛奏者――大自然の生命力に呼応し奏でる [2)伝統・文化]

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もりた ばいせん:長野県天龍村に生まれる。公務員などを経て2007年、ニューヨークで演奏家デビュー。篠笛(しのぶえ)、能管(のうかん)、龍笛(りゅうてき)、フルートなどさまざまな笛を奏でる。各地での演奏活動のほか、八坂神社、石清水八幡宮、出雲大社などに演奏を奉納。最新アルバム「万葉」を今秋リリース。
 
 
 
 
 

 かつて暴れ天竜と呼ばれた天竜川によって太古の昔から浸食され、岩が削られてつくり上げられた名勝・天龍峡。時空を超えて遠いどこかに吸い込まれるような深い緑と奇岩、巨岩、流れる川と滝の落ちる音。そんな景色に向かい、森田梅泉(ばいせん)は両手に包み込むように小さな笛を口に当て、静かに息を吹き込んだ。木の実に3つの穴をあけただけの笛は、鳥や動物の鳴き声にも、風の音にも聞こえる。笛の音が周囲になじんでいくと、次に手にしたのは篠笛。自身が作曲した「万葉」の調べが流れる。

 「巨岩に挟まれた天龍峡は音響も抜群で最高のコンサートホールです。室内だけでなく神社の境内や自然の中で演奏することも多いのですが、篠笛のように竹に穴をあけただけの自然で素朴な楽器は、風の音が強くても、突然虫が鳴きだしても、それをオーケストラの一員のように取り込んで合わせることができるんです。音源は息だけ。息って、自分の心って書くんですよね」

 

 

 

 


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