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KKKは再び力を取り戻すのか 8月24日

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【産経抄】KKKは再び力を取り戻すのか 8月24日

 「クー・クラックス・クラン(KKK)」といえば、三角にとがった目出し帽にローブの白装束がまず思い浮かぶ。南北戦争直後の19世紀半ば、米国南部で生まれた白人至上主義の秘密結社である。奴隷から解放されたばかりの黒人男女を襲い、むち打ち、吊(つ)るし首など残虐の限りをつくした。

 ▼1870年に設立された司法省はまず、財務省から捜査官を借りた。KKKに潜入させて、内部から突き崩すためである。彼らの活動が、米連邦捜査局(FBI)設立の先駆けとなる(『FBIの歴史』ロードリ・ジェフリーズ=ジョーンズ著)。

 ▼南部バージニア州シャーロッツビルで今月12日に起きた、白人至上主義者と反対派の衝突事件でも、KKKのメンバーの存在が目立っていた。衝突は、南北戦争で南軍の司令官だったリー将軍の銅像撤去の是非をめぐって起きたものだ。

 ▼撤去を求める声が高まったきっかけは、南部サウスカロライナ州の教会で2年前、黒人9人が射殺された事件である。犯人が白人優位の象徴として掲げていたのが、KKKが現在も使用している「南軍旗」だった。

 ▼衝突事件の現場には、KKKの元最高幹部、デービッド・デューク氏(67)の姿もあった。「きょうは、トランプが大統領選で約束したことを現実のものとする第一歩だ」。かつて大統領選にも立候補した氏が声を張り上げると、周りの男たちが歓声を上げたという。

 ▼KKKは1920年代には、数百万の会員数を誇っている。米国社会に政治的経済的に閉塞(へいそく)感が強まるたびに、勢いを伸ばしてきた。トランプ大統領が本心からKKKを支持しているとは思わない。ただKKK側が、「トランプ時代」を絶好のチャンスと捉えているのは確かである。

 


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