太陽のように核融合でエネルギーを生み出せるようになれば、化石燃料への依存が解消できる(写真:UMB-O/Shutterstock.com)太陽のように核融合でエネルギーを生み出せるようになれば、温暖化問題は解決する(写真:UMB-O/Shutterstock.com

アラブ首長国連邦(UAE)で開かれていた気候変動対策の国連会議、COP28が12月13日に閉幕した。焦点となっていた化石燃料について意見が対立するなど、例年通り、各国の食い違いがあらわになった。現実の世界ではCO2排出量が増え続けており、温暖化対策はなかなか進まない。その流れを変えられるのが核融合発電だ。2050年に実現すれば、地球温暖化のペースを緩やかにして、やがて止めることができる。核融合の技術力で先頭を走る日本がリードして開発を進めるべきだ。

(杉山 大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

事実上無尽蔵で安全かつ核拡散の心配がない

 核融合は順調に開発が進めば2050年には実用化される。その暁には、現在の原子力発電並みの手頃な価格で、事実上無尽蔵で、安全、かつ核拡散の心配もない、非の打ち所がない発電方式を、人類は手に入れることになる。

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