先の統一地方選で勢力を拡大した日本維新の会(写真:つのだよしお/アフロ)

 今年4月に行われた統一地方選挙で、他の候補に大差をつけて当選し、大阪府知事の続投を決めた日本維新の会の共同代表を務める吉村洋文氏。大阪市長選挙でも、維新の横山ひでゆき氏(元大阪府議会員)が当選した。

 吉村氏は会見で、「府民のみなさんと約束したことを必ず実行する」と語ったが、維新政治の矛盾を指摘する声も少なくない。「維新政治は嘘ばかり」と語る日本城タクシー株式会社、代表取締役の坂本篤紀氏に真意を聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

──坂本さんは維新政治をどう見ていますか、維新政治の特徴や政治手法について感じていることを教えてください。

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<以下抜粋>

 民営化で無くしていいものと悪いものがある。

 学校に利益を求める。ごみ収集を民間に委託しようとする。民営化しても、儲かるとはとても思えないし、儲からなかったらゴミを回収してくれないようになってしまう。お金にならないことをするのが公の仕事でしょう。

 大阪市の場合は、交通局を民営化するという馬鹿げたことをやりました。

 公立病院が赤字だから閉めるというが(橋下徹氏の知事時代、行政の無駄を省くとの号令のもと、公立病院の数を減らした)、患者が良い医療を受けて、それに払う対価が安かったから公立病院が赤字になっているわけでしょう。診察を受けた患者で言えば黒字や。誰のために政治をしているのか。

 中央区の一等地にあった大阪市立東商業高等学校は分かりやすい例で、3年連続定員割れしたという理由で廃校にされ、その後に建てられたのがタワーマンションとスーパーマーケットです。それで、入学金の高い私立に行きなさいというのが今の大阪の政治です。

「大阪の成功を全国へ」と言っていますけど、実際には失敗している。

 維新は世襲議員を目の敵にして「自分たちにはしがらみはない」というけれど、大阪の府議会議員や市議会議員を見たら、ほとんど2世です。3世という人までいる。

──2025年大阪万博が近づいていますが、あまり準備が進んでいないことなどが話題になっています。

坂本:あれは沼万博です(笑)。もともとゴミを焼いた灰や浚渫で掘った道頓堀川のヘドロで埋め立てて作ったのが夢洲。なんであんなところで万博しようと考えたのか理解できない。

 チケットを企業に押し付ける。学校にも万博へ行けと求める。予算に関しても、「1250億円でいける」なんて言っていたのに1850億円に引き上げられる。全然話が違う。