Wedge8月号の特集『日本の少子化対策 異次元よりも「本音」の議論を』のパート4-1では、仕事と子育ての両立支援に取り組む富山県の中小企業2社を紹介している。鋳物メーカーの「能作」(富山県高岡市)と美容商材卸の「モリタ」(富山県射水市)は、両社ともに〝男の世界〟とされる業界で女性社員が増加。産後の女性社員の職場復帰率100%を果たし、男女共に子育てしながら働きやすい職場作りに熱心だ。能作は創業から100年以上。モリタも創業88年と、企業としての息が長い。「100年続く企業」の共通点は何か――。

 「もし、希望する時間帯で働くことができなかったら、入社を諦めていました」

 鋳物メーカー「能作」で事務職として働く中島里美さん(40歳)は、振り返る。中島さんは2017年、能作の業績が拡大するなか中途採用で入社した。一般的には小さな子を抱えての再就職は決して容易ではないが、中島さんは子どもが小学生と保育園児の頃に正社員採用された。

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