キリンが圧倒的なシェアを誇っていた時代、劣勢のアサヒビールはビールケースの隅を自社のビールに入れ替えていた(写真:ロイター/アフロ)

(*)本稿は『日本のビールは世界一うまい!酒場で語れる麦酒の話』(ちくま新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

 戦後のキリンは家庭用中心の戦略により、一般家庭への冷蔵庫普及と相まって、シェアをぐんぐん伸ばしていく。1960年代には旺盛なビール需要の拡大に対応し、複数の新工場建設をはじめ設備投資を積極化させる。

 我が国の高度経済成長に比例するように、キリンは急成長を遂げていく。

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