首都圏の中学入試は2月2日・2日をピークに、5日頃には終了します。その後、私たち名門指導会の講師たちは、その年の入試問題を実際に解き、各学校ではどのような問題が出題され、そこから子どもたちにどんな力を求めているかを分析します。その結果、見えてきたのは、近年の難関校の算数入試は、一見塾で習ったことのある問題のように見せて、実は違うタイプの問題をあえて出している学校が増えていること。

(lakshmiprasad S/gettyimages)

パターン学習からの脱却

 例えば、男子御三家の一つ、武蔵中の算数入試では、このような問題が出題されました。

ある野球場には10か所の窓口があり、そのうち4か所では前売り券を、残りの6か所では当日券を受け付けています。1か所の窓口で1分間に受け付けることができる人数は前売り券の窓口では8人、当日券の窓口では2人です。ある日の試合では、窓口が開く12時には全部で1240人が並んでいて、その後は前売り券の人が毎分30人ずつ列に加わっていき、当日券の人が列に加わることはありませんでした。途(と)中で当日券の人がいなくなったので、その後は10か所すべての窓口で前売り券を受け付けたところ、12時50分に窓口に並ぶ人はいなくなり、窓口を閉めました。この日、当日券で入場した人は何人ですか。(式や考え方も書きなさい。)
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