大寧寺 釈迦三尊及び十六羅漢像 写真/フォトライブラリー

(歴史家:乃至政彦)

前編の続き)

二階崩れの変、新宮党粛正の転換期

 大寧寺の変は、時代の転換期に起きた事件である。

 天文19年(1550)頃より、西国で変革の波が押し寄せていた。ひとつひとつはマクロで見ると小さな事件だが、直面した人々にとっては生死を分つ大事件であり、世界の全ても同然であっただろう。

 同年2月10日、豊後の大友義鑑(よしあき)が長男・義鎮(よししげ/のちの宗麟)の廃嫡を考えていたところ、大友館の二階で謀反に遭って三男・塩市丸と共に殺害された。いわゆる「二階崩れの変」である。

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