岸田文雄首相は8月24日、GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で「原子力規制委員会の審査を通っている7基の原発について来夏以降に再稼働を進める方針」を示すと同時に、「既存原発の最長60年の運転期間の延長の検討」と「次世代革新炉の開発・建設など原発の新増設について年内に結論を出すように」指示したと報じられた。

新たに再稼働を目指すことにした福井県の高浜原発(田中正秋/アフロ)

 いま世界では、ロシアのウクライナ侵攻を受け、原子力発電に関する世論が大きく変化し、原発の利用を支持する意見が増えている。例えば、ドイツの世論調査では「今年末に閉鎖が計画されている3基の原発の継続利用を支持する」意見が、4月に過半数、6月に約3分の2、8月に発表されたドイツ公共放送網の調査では8割を超えた。

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