【安藤政明の一筆両断】「ブラック企業」と「ブラック労働者」にご用心 [◆論 評◆]
【安藤政明の一筆両断】「ブラック企業」と「ブラック労働者」にご用心
「ブラック企業の特徴30選」がSNS上で注目されているそうです。一読した感想として、とても良くまとめられていて、わかりやすくインパクトがあるという印象を受けました。最初の10選は、求人情報を読んで推測できる事項、次の10選が実際に働いてみて感じられる事項、最後の10選が根本的な事項にまとめられているようです。
SNSで拡散された情報は場合によっては強い影響力を持つことがあります。経営者の立場の方も、このような情報をチェックすることは有意義だと思います。
ところで、「ブラック企業」は完全に定着した言葉ではありますが、法的には明確な定義はありません。『広辞苑第七版』には「従業員を違法または劣悪な労働条件で酷使する企業」と端的に説明されています。しかし、世間での「ブラック企業」という言葉の使われ方は、もっと安易であるように感じるところです。30選は、一つでも該当すればブラック企業だという目安で作成されたものではありません。特に求人情報の10選はいずれも違法でも劣悪でもなく、要注意とか、可能性として紹介されています。しかし、例えば「年間休日が105日以下=ブラック企業」のような印象を与えかねないことに少し危惧するところです。
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