【日本語メモ】すくわれるのは足か足元か [2)伝統・文化]
【日本語メモ】すくわれるのは足か足元か
連日熱戦を繰り広げてきた東京オリンピックもいよいよ最終日。日本勢は大活躍でした。しかしその一方で、新型コロナの感染拡大は止まらず、自分も感染するのではという恐怖が一層身近に感じられます。そのせいか、テレビ観戦も心底楽しめず、どうも紙一枚挟んだような印象を持ってしまう。少し不思議な感覚でした。
(1)油断するとすぐに足元をすくわれる。
毎年発表される文化庁の「国語に関する世論調査」。生きた日本語のいまを知るうえで、校閲に携わる者にとっては大変興味深いものです。一方で、以前は誤用とされていた使い方が社会に浸透してきたとき、変わり目をどう見極めるのか、悩ましい問題でもあります。「足元をすくわれる」は平成19年度の同調査で、正しい表現だと誤って思われている事例として取り上げられました。「足をすくう」は相手のすきに付け入って失敗や敗北に導くという意味。「すくう(掬う)」には「下から上へと急にもちあげる」(大辞林)という意味があることから、持ち上げられるのは足だという解釈をとります。ただ、「足元」派が多数とあって、さまざまな見解があるようです。
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