【軍事のツボ】戦争で猛威を振るう感染症
ワクチン接種が進んでいるとはいえ、東京に4回目の緊急事態宣言が出されるなど、収束にはまだ時間がかかる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。「人類の歴史は感染症との戦いの歴史」といわれるぐらい、感染症、特に新型コロナなどのように短期間で多くの人に広がる感染症は人類にとって、現在でも難敵だ。そして軍隊は基本的に多くの人間が密集していることなどから、感染症と深く関わってきた。
まず、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫といった病原体により引き起こされる感染症(伝染病)について触れておく。感染症の中でも問題になるのが集団感染症(疫病)で、天然痘、ペスト、結核、コレラ、腸チフス、マラリアなどが人類を脅かしてきた。
これらの出現は、人類史において1万年前頃から定住による農業が始まったことと軌を一にする。人口密度が格段に上がり、生活環境内に排泄(はいせつ)物や汚水など病原体を含むものがとどまりやすくなったことなどが要因とされる。
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