“JFKの再来”、ケネディ家“期待の星”と目されてきたジョセフ・P ・ケネディ3世が、上院マサチューセッツ州民主党予備選で番狂わせで敗退した。第35代ケネディ大統領誕生以来、70年近くも政界に多彩な話題を広げてきた“ケネディ王朝”の終焉との見方が広がっている。

ジョセフ・P ・ケネディ3世(AP/AFLO)

 同州予備選は去る1日、連邦下院議員でまだ39歳と若いジョセフ・P ・ケネディ3世が現職で3選をめざすベテランのエドワード・マーキー上院議員(74)に挑む形で行われた。

 とくに今回、ケネディ議員の出馬が全米で注目されたのは、JFKの弟ロバート・ケネディ元司法長官の孫ながら、風貌、たたずまいもJFKと似ているだけでなく、JFKも35歳の若さで下院議員から上院議員選挙に出馬し当選、8年後の1960年には大統領選で劇的な勝利を果たした足跡があったからだった。もし、同氏が上院で当選した場合、4年後、あるいは8年後にはJFK同様、民主党のホープとして40歳代で大統領選出馬も十分視野に入っていたとされる。 

 選挙戦ではケネディ議員が序盤から「ケネディ家」の知名度、親族からの潤沢な選挙資金を背景に有利な展開となり、2週間前までの地元サフォーク大学・ボストン・グローブ紙共同世論調査では、二けたの差でマーキー議員を大きくリードしていた。だが、後半に入り、急進リベラル派の論客として連邦議会で発言力を強めるアレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員ら民主党若手グループが、環境、医療保険問題などで進歩的主張を貫くマーキー氏支持に回り、最後は12.2%の得票差で逆転を許す結果となった。

 若手のホープ、ケネディ候補が、一族で強力な支持基盤を誇る地元マサチューセッツ州において敗退した要因は何なのか。

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