(AP/AFLO)

 企業活動の前提は、ゴーイングコンサーン、無期限に事業が続くことだが、石油とか石炭などの資源の採掘を行う企業は、資源の枯渇とともに難しい状況に直面することがある。かつて日本の石炭会社は、石油との競争と採炭コストの上昇に見舞われる環境の中で脱石炭を進めようとしたが、結果として企業規模が大幅に縮小することになった。

 今、オイル・メジャーと呼ばれる国際石油資本も温暖化問題への対処から石油消費のピークアウトが言われる中で難しい環境に置かれている。そんな中でかつて時価総額全米一の座にあったエクソン・モービルが米国の株式指標ダウ工業株30種平均を構成する企業リストから8月31日に除外されることが決まった。オイル・メジャーも、規模は違うとは言え、日本の石炭会社のように難しい舵取りを強いられることになるのだろうか。

消えていった日本の石炭会社

 75年前第2次世界大戦が終わった後、日本政府は戦後復興のため石炭と鉄鋼の生産に重点的に資材と資金を投入した。石炭はエネルギーとして、鉄は産業のコメと呼ばれるように建物を作るにも機械を作るのにも必要だったからだ。傾斜生産と呼ばれるこの方式は功を奏し、日本の復興を支えた。石炭会社は景気が良い産業の代表になった。1950年代には石炭会社の大卒初任給が他産業の2倍あったという話まである。

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