8月11日、民主党のバイデン大統領候補は、副大統領候補としてカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)を指名した。正式には、8月17日から始まる民主党大会で決定される。

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 バイデンがハリスを副大統領に指名したことに関して、米ワシントン・ポスト紙のコラムニストであるジェニファー・ルービンが、8月12日付の同紙に、「カマラ・ハリス上院議員は、ジョー・バイデンの最も大胆で、かつ最も適格な抜擢であった」との論説を寄せ、今回のバイデンの選択を称賛している。

 確かに、この論説が言うように、バイデンの選択は、大胆で的確な指名であったと思われる。バイデン氏は既に世論調査でトランプ大統領をリードしているが、ハリスを副大統領に選んだことで、バイデンが次期米大統領に選ばれる蓋然性はさらに高くなったと思われる。

 カマラ・ハリスは有能で、攻撃力がある。彼女は、民主党の大統領候補をバイデンと争った仲でもある。その民主党の大統領候補予備選の第1回討論会で、カマラ・ハリスは、人種隔離政策をなくすために行われた生徒のバス通学について、批判的態度をとったバイデンを攻撃した。バイデンがしどろもどろになる場面を作り出したが、カマラ・ハリスの有能さが全米に知れわたる機会になった。バイデンはいわば恥をかかされたわけで、そのバイデンがカマラ・ハリスを副大統領に指名することはないだろうと思われていたが、バイデンはトランプと違い、心が広い。そういう経験を乗り越えて指名したことは評価できる。

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