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【日曜に書く】偏見を超えて響く音楽 論説委員・河村直哉 [1)英霊・靖国]

【日曜に書く】偏見を超えて響く音楽 論説委員・河村直哉

夕刊フジ写真 靖国神社
靖国神社(宮崎瑞穂撮影)
 ◆折口と信時の絶唱
 民俗学者、折口信夫(しのぶ)に「鎮魂頌(しょう)」という詩がある。折口は歌人でもあり詩も作った。
 「思ひみる人の はるけさ/海の波 高くあがりて/たゝなはる山も そゝれり。/かそけくもなりにしかなや。/海山のはたてに 浄(キヨ)く/天(アマ)つ虹(ニジ) 橋立ちわたる。」
 絶唱というほかはない。昭和23年の作。折口は養子を硫黄島の戦闘で失った。海のかなた、「たゝなはる」(幾重にも重なる)山の向こうにわが子の姿を見ている折口を想像する。面影はかすかになってしまった。かなたに虹がかかる。
 この詩に後年、信時潔(のぶとき・きよし)が曲を付けた。清澄極まりない曲調である。
 詩の第3連には、こうある。「神生(ウマ)れたまへり。/この国を やす国なすと」。折口が靖国神社に眠る英霊を思い、信時はその詩に天上のもののような曲を付けたと考えたい。今も靖国神社の例大祭で歌われている。
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