【日本人の心 楠木正成を読み解く】第2章 時代の先駆者が伝えるもの(12 [◉日本流を考える]
【日本人の心 楠木正成を読み解く】第2章 時代の先駆者が伝えるもの(12)
■「非理法権天」が意味するもの
楠木正成(くすのき・まさしげ)といえば、「七生報国(しちしょうほうこく)(7度生まれ変わっても国に尽くす)」や家紋である「菊水」といった言葉が思い浮かぶ。その一つに「非理(ひり)法権天(ほうけんてん)」がある。「非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は権に勝たず、権は天に勝たず」として、天道(至上万能の神)に従って行動すべきだと説く言葉である。
忠臣・正成を象徴する言葉として語り継がれているが、正成の活躍を描いた『太平記』や『梅松(ばいしょう)論』には、正成が「非理法権天」の旗印を押し立てて戦場を駆け巡ったという記述はない。
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