成熟市場の代表格であるビールの中の「第3のビール」と呼ばれる新ジャンルで、マーケットシェアに異変が起きている。昨年の3月にキリンビールが発売した「本麒麟」の売れ行きが好調で、今年3月には昨年の新発売月を上回り過去最大の販売数量を記録した。

 キリンはこの数年、若手を抜擢して大きな仕事、職種を積極的に任せるようにしてきたという。「ビールに対する愛は誰にも負けない」という入社7年目で「本麒麟」のマーケティングを任された京谷侑香さんにインタビューして、ヒットの秘密を聞いた。

京谷さん

「飲みごたえ」で勝負

 「2年前に新商品のマーケティングを任されたが、この新ジャンルは2011年ごろから市場が縮小していたので、何とか新ジャンルを支えられるようなブランドを作りたかった。その中でも『コク』と『飲みごたえ』だけはほかの商品に絶対に負けたくなかった」と話す。

 新ジャンルではキリンビールの「のどごし<生>」のほか、サントリーの「金麦」、アサヒビールの「クリアアサヒ」の3つのブランドがこの10年間ずっと主力として支えてきた。3ブランドが伸びたのは、顧客のニーズに応えたからだったが、市場全体は伸び悩んでいた。

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