11月24日に行われた台湾統一地方選挙の結果に対し、「心配半分、喜び半分」と語った李登輝さんの真意とは――。唯一の日本人秘書である早川友久さんが説き明かします。

国民党候補とのデッドヒートの末、台北市長選挙を制した無党派で現職の柯文哲氏(写真:AP/アフロ)

 投票日前夜。この日の22時をもって選挙活動は終了し、それ以降はいかなる活動も行うことはできない。そのため、どの候補者陣営も最後の大規模な集会を開き、数万人規模の支持者が参加するのが常だ。

 かくいう私も、台北市長選挙候補の「最後のお願い」を観察してきた。現職市長で、下馬評でもトップの柯文哲候補と、民進党の姚文智候補の2会場だ。台北101のふもとの公園が柯文哲候補、そして姚文智候補が台北市政府(市役所)前広場と、両者は直線距離にして500メートルも離れていない。かけ持ちするにはまたとないロケーションだが、MRT(地下鉄)を降りたときから雰囲気の差がすでに出ていた(ちなみに、国民党の丁守中候補は総統府前広場で集会を行っていた)。

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