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平成の社会劣化・・日本流を忘れた若者たち

【産経抄】10月29日

 東京での「ハロウィーン」は、どうやら10月の最終土曜日に決まったらしい。この夜は、善男善女が魔女やらお化けやらに仮装して渋谷に繰り出し、トラックをひっくり返したり、女性に抱きついたりと乱暴狼藉(ろうぜき)を働いてもいいらしい。
 ▼NHKの人気者チコちゃんに聞くまでもなく、古代ケルトが起源といわれる「ハロウィーン」は昔も今も10月31日で変わりない。もちろん、乱暴狼藉を働いていいわけがない。渋谷の区長さんは事前に「モラルとマナーを持ってほしい」と参加者に呼びかけたが、無駄だった。
 ▼古代ケルトでは、11月1日から新年が始まり、前日に死者たちが家族を訪ねると信じられてきた。日本の盂蘭盆(うらぼん)に似ているが、仮面も魔よけのためで、宗教的色彩の強い行事だった。なのに、日本でばか騒ぎの日になったのはなぜか。
 ▼「テーマパークでのパレードが発祥」「若者の変身願望に応えた」など諸説あるが、日本人は欧米の宗教行事を娯楽に変える天才のようだ。バブル時代には、クリスマスイブに恋人とシャンパンをあけねばならぬという“信仰”が広まってフランス料理店が満杯になり、バレンタインデーに何個チョコレートをもらえるか前日からそわそわするオジサンの何と多いことか。
 ▼日本版「ハロウィーン」もそのうち落ち着くだろうが、渋谷に集う若者たちは、騒ぎを起こしたくてうずうずしているようにみえる。そんなエネルギーが余っているなら被災地でボランティアをやればいいのに、と小言をいっても聞く耳は持つまい。
 ▼貧困にあえいで国外脱出する必要もなく、教会で銃が乱射されることもない平和ニッポンならではの光景だが、君子危うきに近寄らず31日の夜は渋谷に近づかない方がいい

タグ:産経抄
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