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中国の覇権主義を予測していた大平元総理・・「今はお祭り騒ぎでいいが、30年たったら事情は変わるよ」

【産経抄】10月26日

 上海の浦東国際空港は、1999年10月に開港した。日本の円借款から、400億円が拠出されている。翌年に空港を訪れたフリージャーナリストの青木直人さんは、中国人数十人に円借款について聞いてみた。
 ▼空港の広報ウーマンを含めて、「我不知道(ウオプチタオ)(知らない)」の返事が返ってくるばかりだ。「日本人がそんなことをするわけがない」と怒り出す人までいた(『日本の中国援助・ODA』)。中国が日本の援助を公表するどころか、反日感情の醸成に余念がなかった時期である。
 ▼日本の対中ODA(政府開発援助)は79年、当時の大平正芳首相の下で始まった。インフラ整備を中心に低金利で貸し出す円借款は10年前に終了、累計で3兆円を超えている。経済大国となった中国に援助は不要、との声が上がりながらも無償資金協力などはその後も続いてきた。中国を訪問中の安倍晋三首相は今日、習近平国家主席、李克強首相と会談するが、これに先立ち、ようやくODAを終了する方針を表明した。
 ▼中国政府は今になって、中国の経済発展に対する日本の貢献を積極的に報じるよう、政府系メディアに指導した。米国のトランプ政権との対立が激化すると、手のひらを返すように友好ムードを盛り上げようとしている。もちろんそんな甘言にのってはいけない。首相は百も承知であろう。
 ▼大平氏は、72年に実現した日中国交正常化に外相として立ち会った。「今はお祭り騒ぎでいいが、30年たったら事情は変わるよ」。昨日の読売新聞が、政務秘書官に当時つぶやいた言葉を紹介していた。
 ▼桁外れの軍備拡張によって、46年後の中国は、日本の安全保障にとって最大の脅威となった大平氏の憂慮をはるかに超える、深刻な事態である

タグ:産経抄
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