「死の谷」とは何だったのだろうか。

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 大企業の安全神話が崩れ、ベンチャー企業の存在感が増していく中、ベンチャー業界を取り巻くさまざまな論説が流れている。だが、当のベンチャー企業側は、その現状と行く末をどのように捉えているのだろうか。戦略コンサルタントを経てバイオベンチャーを創業した、ちとせグループCEOの藤田朋宏氏が、ベンチャー企業の視点から日本の置かれた現状を語っていく。(JBpress)

ベンチャー業界を語る視点

 毎年、クリスマスシーズンにFacebookを眺めていると、ベンチャーキャピタルを生業にする人たちが同業者同士で集まって著名な銘柄のワインを乾杯して楽しそうにしている写真と、リスクを顧みずベンチャー企業に飛び込んだ人達がクリスマスの夜も仲間たちと狭い部屋で徹夜で開発を続けながらささやかなお祝いをして楽しそうにしている写真が、私のFacebookの上で交互に並ぶ。

 クリスマスに何をしているのが楽しいと感じるのかの価値観だけをとっても、こんなに多様な価値観の人間が、さまざまな立場で参加していることが、現在のベンチャー業界の深みであり、本質的な強さの源泉になると私は考える。

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