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言論の自由における二重基準 6月7日

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【産経抄】言論の自由における二重基準 6月7日

 組織犯罪処罰法改正案に反対してきた日本ペンクラブは、鬼の首を取ったかのようである。「日本における表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものになる」。5日の記者会見で、ジェニファー・クレメント国際ペン会長の声明を発表していた。

 ▼はて、面妖(めんよう)な。クレメント氏の母国メキシコでは、麻薬犯罪組織による記者殺害が相次ぎ、廃刊に追い込まれた新聞社さえある。国際ペンが本部を置くロンドンでは今、イスラム過激派によるテロの嵐が吹き荒れている。法改正の内容を理解していれば、出てくるはずのない声明である。

 ▼日本ペンクラブには、もっと身近な言論弾圧に注目してもらいたい。言うまでもない。一橋大学の学園祭で予定されていた作家、百田尚樹さんの講演会が、中止に追い込まれた一件である。一部の団体から強力な圧力がかかり、大学の一部教員からも中止を求める声が出ていたという。

 ▼大学祭といえば平成14年の慶応大学の三田祭でも、台湾元総統・李登輝氏の講演会が取り消される事件があった。どこから圧力がかかったのか、言わずもがなであろう。市民団体による組織的な抗議電話などで、識者の講演会が中止に追い込まれるケースは、大学に限らない。

 ▼櫻井よしこさんや故上坂冬子さんらは、何度も“被害”に遭ってきた。ただ朝日新聞などは、リベラル派文化人の言論活動が妨害されると大騒ぎするものの、保守系文化人が同じ目に遭っても、それほど関心を示さない。奇妙な二重基準がまかり通っている

 ▼「あなたの意見には反対だ。だが、あなたがその主張を行う権利は、命をかけてでも守る」。フランスの哲学者、ボルテールの有名な言葉が日本で実現するのは、いつの日のことか。

 


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