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俳句はクール、カッコいい 5月29日

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【産経抄】俳句はクール、カッコいい 5月29日

 先日、かかりつけの眼科医の先生と診察の後で雑談していると、一冊の句集を渡された。聞けば、俳人の細谷亮太さんを宗匠にして、7年前から仲間と月例句会を続けてきた。その成果だという。

 ▼〈湯冷めして父の事など想ひける〉(餡々(あんあん))。俳号は実家の和菓子店に由来する。こんな遊び心にあふれた先生だったとは、知らなかった。

 ▼今年は、夏目漱石と漱石に俳句を教えた正岡子規の生誕150年に当たる。2人の文豪のおかげだろうか、俳句の話題を耳にする機会が多くなった。子規とゆかりが深い松山市では、居酒屋の「俳句バー」のサービスが人気を呼んでいる。食事や酒を楽しみながら気軽に句を書き込める俳句カードや、外国人向けに英語表記のガイドブックが用意されている。

 ▼俳句のユネスコ無形文化遺産への登録をめざす、国内の俳句団体や自治体の取り組みも本格的に始まった。「俳句の俳とは権威や常識にとらわれずに思ったままをずばりということである」「俳という言葉は英語のクール(cool)という言葉に近い」(『俳句的生活』長谷川櫂(かい)著)。確かに俳句は、日本の「カッコいい」文化を世界に売り込む「クールジャパン」の戦略に、欠かせないコンテンツである。

 ▼残念ながら小欄は、季節の風物を鮮やかに切り取る才能に恵まれなかった。もっぱら、他人の俳句を鑑賞して楽しんでいる。バラエティー番組「プレバト!!」(TBS系)の俳句コーナーは、目下一番のお気に入りである。俳人の夏井いつきさんが、芸能人が詠んだ句を一刀両断に切り捨て添削する。

 ▼ほとんどの新聞が、読者による詩歌の投稿欄を設けている。テレビ番組では、芸能人が短詩づくりを競い合う。こんな国は日本だけだろう

 


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