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いつの日にか善玉のハッカーに 4月28日

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【産経抄】いつの日にか善玉のハッカーに 4月28日

 米国の「天才ハッカー」として、ジョージ・ホッツ氏の名前が世界にとどろいたのは、2007年の夏だった。2カ月前に発売された米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロック解除に成功したからだ。この結果利用者は、通信事業者を選べるようになった。

 ▼当時ホッツ氏は、高校を卒業したばかりの17歳である。4年後には、ソニーのゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の堅固なセキュリティーを突破して、内部情報を公表した。7700万件もの個人情報が流出する事件の発端となったとされる。

 ▼北朝鮮の関与が疑われているハッカー集団「ラザルス」が、世界の主要銀行にサイバー攻撃を繰り返している。昨年2月には、バングラデシュ中央銀行からまんまと8100万ドル(約90億円)を盗み出した。

 ▼北朝鮮はすでに、金正恩朝鮮労働党委員長が笑い飛ばされるコメディー映画を制作した米国の会社にも、攻撃を仕掛けている。使われたウイルスはそっくりだが、証拠隠滅や追跡を不可能にする技術は明らかに向上している。ホッツ氏のように、他人のコンピューターに侵入する技術に長(た)けた人物が、この国にもいるらしい。

 ▼サイバー攻撃に対抗してセキュリティーを強化するには、優秀なハッカーの力を借りるしかない。ソニーに大きな損害を与えるきっかけを作ったホッツ氏には、お咎(とが)めがなかった。才能を見込んだ交流サイトの世界最大手、米フェイスブックに入社する。その後退職して、現在は自動運転車の開発に取り組んでいる。

 ▼北朝鮮のハッカーは、今のところ待遇がよく、士気も高いという「悪事」から足を洗い、「善玉」のハッカーとして活躍する日がいつか来るだろうか


タグ:産経抄
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