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「米国第一」のトランプ政権に根気よく付き合うのが日本の役目 1月22日

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2017.1.22 05:02

【産経抄】「米国第一」のトランプ政権に根気よく付き合うのが日本の役目 1月22日

 処世訓として、あるいは企業経営の肝として、「着眼大局、着手小局」という言葉をよく耳にする。まず全体を見渡しなさい。その上で目の前の問題に取り掛かりなさい。「鳥の目、虫の目」に通じるものがある

 ▼こと国家の「経営」も、勘所は同じだろう。先を見通す目と細部に行き届く目がほどよく折り合って、政策は効き目を表す。ただし、目のつけどころを誤ってはいけない。目先の利にとらわれ実現困難な政策に飛びつく愚は、わが国の民主党政権時代で懲りている。

 ▼「米国第一」という着眼点はどうだろう。第45代米国大統領に就任したドナルド・トランプ氏の演説を聞くかぎり、その大局観には米国以外の地図が描かれていない。新政権は早くも公約通りに、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を正式表明した。

 ▼米国の幸せは世界の幸せ-との図式があるならまだいい。「米国の製品を買おう。米国人を雇おう」と臆面なく「小局」にこだわる横顔に、世界のリーダーとしての気高さはない。TPPやロシアへの対応で露見した閣僚との見解の相違もまるで気に留めていない。

 ▼「あなた方が国家のために何ができるか」はケネディ大統領の有名な演説である。トランプ氏は「あなた方」を「世界の国々」に置き換え、米国のために何ができるか考えよと問い掛けている。安全保障も自由貿易の枠組みも、世界は先の見通せない時代を迎えた。

 ▼虚実見極めがたいトランプ政権の誕生に思い出した句がある。「楽観主義者はドーナツを見、悲観主義者はドーナツの穴を見る」(晴山陽一著『すごい言葉』から)。地球儀を頭に入れた「着眼大局」で、新政権と根気よく付き合うのが日本の役目だろう。楽観も悲観もまだ早い


タグ:産経抄
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