【知っておきたい暮らしの作法】すす払い… お正月に年神様をお迎えする準備 [2)伝統・文化]
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2016.12.13 10:56
【知っておきたい暮らしの作法】すす払い… お正月に年神様をお迎えする準備
12月の年中行事としてかかせないものが「すす払い」。お正月に年神様をお迎えする準備として、家の内外を清浄にしておくということです。
大掃除は年末に行うイメージが強いと思いますが、本来はお正月の準備をする、事始めの日である12月13日をすす払いと定めて行ってきました。
農耕民族であった日本人にとって、天井や壁などのすすを払い、清潔な空間のなかで五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願いながら神様をお迎えするというのは、自然な流れであったといえましょう。
12月13日は、門松に使用する松を山へ切りに行く日でもありますが、これを「松迎え」と呼びます。
松迎え以外にも、年神様に供える「年木」を切ったり、しめ飾りなどの正月飾りを始める日としている地域もあります。
また、すす払いは、単なる大掃除ではなく、年間の厄をはらうとも考えられてきました。そのように理解すると、面倒というよりはむしろ、積極的に掃除をする気持ちになりやすいのかもしれません。
さて、小笠原流の伝書には「塗床などは手をつけぬものなり」という教えが記されています。漆の床の間に触れてしまったら指紋の痕をつけてしまうゆえ、配慮を忘れないようにということです。現代においても、掃除をする人の手間を考えながら過ごすことは大切です。窓ガラスを拭くときなど大掃除の機会を利用して、このようなこころ遣いをお子さまに伝えられてはいかがでしょう。(小笠原敬承斎)=次回は27日掲載予定
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