HPVがん、米国で増加傾向 若者のワクチン接種率低く

米フロリダ州のマイアミ大学ミラー医学部で13歳の少女にヒトパピローマウイルスの予防ワクチンを接種する医師〔AFPBB News

前編http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48062)で紹介したように、私たちの研究結果から、子宮頸がんワクチン騒動では新聞が過度にリスクを強調した報道を続けている問題が示されました。

これまでもメディアは必ずしもワクチンのリスクについてバランスの取れた報道をしてきたわけではなく、過去には海外でも同様な事例が起こっています。

1970-80年代には百日咳ワクチンに対する反ワクチン活動がメディアを通じて世界中で拡散し、日本をはじめ、スウェーデン、英国、ロシアで接種率が大きく低下し、その後の百日咳の流行を引き起こしました(Lancet 1998; 351:356-61.)。

またMMR(麻疹、おたふくかぜ、風疹)ワクチンが自閉症を引き起こすという報告が著名な医学誌Lancetに1998年に掲載(のちに撤回)されると、メディアで大きく報道され、英国を中心に接種率は大きく低下しました。

特に新聞報道という観点からは、英国ウェールズの新聞がMMRワクチンに対するネガティブキャンペーンを行った際に、同誌の購読地域での接種率が低下したと報告されています(J Epidemiol Community Health 2000; 54:473-4.)。

>>続きを読む