タイ国王、誕生日の祝賀式典出席を取りやめ

タバンコクの病院前でプミポン国王の健康回復を祈る人たち(2014年12月撮影)。2016年9月には容体に改善の兆候が見られると報じられたが、いまだ医師団による懸命な治療が続いている。(c)AFP/Christophe ARCHAMBAULT 〔AFPBB News

先月末にタイを訪れた。これまでと変わらない風景の中にも、どこかに緊張感が感じられた。

それは国王であるラーマ9世(プミポン・アドゥンヤデート国王)の容態が思わしくないためであり、その雰囲気はどこか昭和天皇が病床に伏せ、X-dayが取りざたされた昭和63年の秋に似ていた。

ただ、タイにおける王権の引き継ぎは日本のようにスムーズに行きそうにない。

暗雲立ち込めるタイの内情

多くの国民はプミポン国王を敬愛している。国王は立憲君主でありながら政治に大きな影響力を及ぼしてきた。

国王はクーデターが起こるたびに、そのカリスマ性によって国の分裂を防いできた。ここ30年ほど、タイが順調に経済発展を遂げることができた背景には国王の存在があった。

現在でもタイには不敬罪が存在する。タイ人は王室について語るとき慎重にならざるを得ないが、それでも私的な場では小声でいろいろと語り合っている。

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