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めざせダウニング街10番地 7月8日

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2016.7.8 05:03

【産経抄】めざせダウニング街10番地 7月8日

 1990年秋、当時のサッチャー英首相は、保守党の党首選挙で、元国防相の挑戦を受けていた。1回目の投票で勝利したものの、規定の票に足りなかった。

 ▼再投票に意欲を見せていたサッチャー氏は、突然辞任に踏み切り、11年半にわたる政権の幕を下ろす。一体何が起こったのか。首相と親しかった作家のジェフリー・アーチャー氏は、その後来日した際に秘話を明かしている。

 ▼首相に忠誠を誓っていたメージャー蔵相は、地元に帰っていた。アーチャー氏は、推薦状にサインをもらうためにメージャー氏を訪ね、サッチャー氏への私信を受け取る。実はメージャー氏はそこに、立候補の意思を記していたらしい。メージャー氏は見事、次期首相の座を獲得する。

 ▼アーチャー氏のベストセラー『めざせダウニング街10番地』では、3人の政治家が首相の座を争い、最後にどんでん返しが待っていた小説さながらのドラマが、今も英国の政界で進行中である。欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票で、残留を訴えたキャメロン首相は敗れ、辞意を表明している。次期首相を決める与党・保守党の党首選では当初、離脱派を率いたジョンソン前ロンドン市長が最有力候補だった。

 ▼ところが側近だったゴーブ司法相の突然の出馬によって、不出馬に追い込まれてしまう。もっとも、「裏切り者」の烙印(らくいん)を押されたゴーブ氏の支持も伸び悩んだ。残留派のメイ内相がレッドソム・エネルギー閣外相との一騎打ちで、サッチャー氏以来の女性首相誕生が確実になった。


タグ:産経抄
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