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イチローの本当の偉大さ 6月17日

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2016.6.17 05:04

【産経抄】イチローの本当の偉大さ 6月17日

パドレス戦の9回、メジャー記録を日米通算で上回る4257安打を放ち、ファンの声援に応えるマーリンズのイチロー=サンディエゴ(共同)

 イチロー選手は2004年、年間安打262本で、大リーグ最多安打記録を打ち立てた。しかし、ケチをつける声もある。ジョージ・シスラーが257本打った1920年当時、試合数は154試合だった。イチロー選手は162試合での達成だから、比較にならないというわけだ。

 ▼大リーグ通の医師、向井万起男(まきお)さんは、イチロー選手は41本、シスラーは33本と、2位選手との差に注目する。統計学の手法も使って、同時代の選手からの「傑出度」をはじき出し、イチロー選手の本当の凄(すご)さを証明してくれた(『愛人の数と本妻の立場』)。

 ▼そのイチロー選手が、今度はピート・ローズ氏が達成した、大リーグ通算最多安打記録を抜いた。日米での合算だから、もちろん大リーグの公式記録にはならない。イチロー選手が最初から大リーグでプレーしていたら…。昨夜は、大リーグ談議で盛り上がった居酒屋も多かっただろう。

 ▼それだけに、ローズ氏によるイチロー選手の偉業を貶(おとし)めるような発言は、残念でならない。野球賭博問題で、球界からの永久追放処分が解けない、苛立(いらだ)ちのせいだろうか。

 ▼通算最多本塁打記録を持ち、現在はイチロー選手が所属するマーリンズの打撃コーチを務めるバリー・ボンズ氏が、興味深い提案をしている。まだ一度も顔を合わせたことのないイチロー選手とローズ氏に、話し合いの場を設けようというのだ。

 ▼ローズ氏といえば、豪快なヘッドスライディングが売り物だった。もっとも向井さんによれば、意外に盗塁は少ない。俊足で内野安打も多かった、イチロー選手との大きな違いである。日米の安打製造機が、まったく異なる野球観を披露し合う。ファンにとって、たまらないイベントになるだろう。


タグ:産経抄
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